「今でも空洞が残っている」…A・カレリン語る

 シドニー五輪を最後にマットを去ったグレコローマン130kg級のアレクサンダー・カレリン(ロシア)が、ロシアの週刊誌「事実と論証」最新号で五輪後初めてインタビューに応じ、「敗戦の理由はいろいろあるが、今でも(期待してくれた人に対する)裏切り者の気持ちを持っている」と、決勝でルーロン・ガードナー(米穀)に負けたショックが尾を引いている心境を話した。

 カレリンは五輪のあと地元のノボシビルスクで「(米国選手より)ロシアの選手に負けた方がよかった」と話し現役引退を表明したが、それ以外はインタビューを避けており、地元メディアに対してもこれが初の“敗戦の弁”。決勝で負けた理由を「私は敗れた。どんなコメントも必要ない」としながらも「心に高揚感がなかったことが大きい。準決勝が終わり、あと1試合で終わる、と思い、その弛緩(しかん)した気持ちが決勝での敗北につながった」と説明。「私の心に、あたかも空洞ができた気持ちで、その感覚はいまだに去っていない」と虚脱感から抜け出せないという。

 現在は下院議員としてモスクワとノボシビルスクを往復する多忙な毎日をおくっており、マットに立つこともまれ。「もはや試合に戻ることはない」と断言した。

 なお国際オリンピック委員会(IOC)が五輪運動に貢献した関係者や選手の与える五輪オーダーへの受賞が決まり、23日にローザンヌ(スイス)で授与式が行われる。


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