国立スポーツ科学センターがオープン


 日本アマスポーツの国際競技力向上を目指し、最新のスポーツ医科学の粋を集めた国立スポーツ科学センターが10月1日、東京都北区にオープン。建設費274億円をかけた常設練習場で、初日にスキー、重量挙げ、フェンシングなどとともにレスリングも練習を開始。シドニー五輪銀メダリストの永田克彦(新日本プロレス職)や、女子の新旧世界チャンピオンの浜口京子(浜口ジム)、山本聖子(日大)らが最新鋭の設備に囲まれ、汗を流した。

 男子の宮原厚次強化副委員長(自衛隊)は「待ちに待った施設の実現。強国に遅れていた医学・科学・情報がかなり改善されるはず」と期待を寄せた。永田も「これまでは大学の体育館などを転々としていたので長期的なトレーニングができなかった。これで練習と休憩を効率良くとれる。最大限に能力を生かした成果が出せる」と満足そう。

 2004年アテネ五輪から正式種目になることが決定している女子も、今後は頻繁に使用することになりそう。鈴木光女子強化委員長(ジャパンビバレッジ)は「女子は、昨年まではオリンピックに出られなくても厳しいトレーニングは続けて世界大会で活躍していた。今後は大きな目標ができた」と話し、悲願の五輪進出に喜びもひとしお。浜口は「アテネ・オリンピックに出場して、世界一を目指したい」と五輪金メダルの獲得を宣言。山本は「りっぱな施設に負けないよう、トレーニングもしっかりこなしたい」と前向きなコメントを寄せた。

 米国テロ事件の影響で、女子は11月2〜3日にフランスで行われるワールドカップへ、ベストメンバーを選出できなくなる可能性も浮上している。しかし、この豪華な施設が選手たちの不安をいくらかでも紛らわしてくれるかも。



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