21日から天皇杯全日本選手権(展望)




 2002年度天皇杯全日本選手権は12月21〜23日、東京・代々木第2体育館で行われる。今大会は、今年1月に階級区分が変わってから初めての全日本選手権。各選手とも手さぐりだった1年間を終え、自分の本来の階級を決めたはず。上の階級へ出場する選手は十分な体力つくりを、下の階級に挑む選手は根本的な減量を積み、それぞれ臨むことが予想される。アテネ五輪へ向けての本格的な闘いのスタートとなる。

 なお計量と組み合わせ抽選は20日午後6時から同所で行われる。(本HPで午後9時をめどに速報します。ただし組み合わせ作業の関係上、遅れる場合もあります)

 【フリースタイル】

 全階級とも、今年のアジア大会・世界選手権の代表が同じ階級で出場する。その中で激戦が予想されるのは55kg級。アジア大会銀メダルの田南部力(警視庁)に、昨年の全日本54kg級の王者で今年の世界学生選手権優勝の松永共広(日体大)が挑む。昨年58kg級で全日本王者に輝いた平井進吾(綜合警備保障)がこの階級に照準を定めて連覇を狙い、昨年の世界選手権代表の長尾勇気(宮崎・宮崎工高教)も加わって激しい闘いが展開されそう。

 66kg級は金渕清文(国士大助手)が連覇を狙うほか、2年連続世界選手権代表の池松和彦(日体大)、シドニー五輪63kg級代表の宮田和幸(クリナップ)の三者の戦いとなりそう。

 84kg級は昨年まで7年連続7度の優勝を遂げていた川合達夫が不出場。若手の躍進が望まれる。

 【グレコローマン】

 フリースタイル同様、全階級でことしの世界選手権・アジア大会代表が同じ階級で出場する。いずれの階級もそれらの日本代表選手が一歩リードしていると思われるが、55kg級の村田知也(滋賀・日野高教)と96kg級の森角裕介(新日本プロレス職)は、6月の予選(全日本選抜選手権)で不覚を喫しプレーオフの末に日本代表権を獲得している選手。村田と安原隆(自衛隊)、森角と加藤賢三(大東大)の再戦が熱く燃えそう。

 74kg級は、前年度69kg級王者の永田克彦(新日本プロレス職)と同76kg級王者の菅太一(警視庁)が6月の全日本選抜選手権に続いて激突しそう。前回は永田が勝ったが、今回は? 84kg級は松本慎吾(一宮運輸)にアジア王者らしい試合が望まれる。

 【女 子】

 55kg級で世界チャンピオン同士が激突しそう。ことしの同級世界チャンピオンの吉田沙保里(中京女大)に挑むのは、00・01年に2年連続で51kg級の世界チャンピオンに輝いた坂本日登美(中京女大)。ひざの手術でことしは戦線を離れたが、五輪の実施階級に絞って復帰する。

 48kg級では、世界選手権代表の野口美香(中京女大)、ワールドカップ優勝の清水美里(ジャパンビバレッジ)、昨年46kg級優勝の吉村祥子(TBC)に、過去47・50kg級で3度世界一に輝いた山本美憂(PUREBRED)がカムバックして挑む。3年ぶりとなるが、この間の空白がどう影響するか?

 63kg級も、ことしの世界チャンピオンの伊調馨(愛知・中京女大付高)に99年62kg級世界チャンピオンの正田絢子(東洋大)が挑む。

《文責:広報委員会》



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