【特集】17年ぶりの快挙達成をステップに世界へ飛躍…小幡邦彦



  74kg級の日本代表でもある小幡邦彦(山梨学院大)が84kg級でも順当勝ち。昨年までの76kg級と合わせ4年連続優勝を達成した。全日本学生選手権V4と合わせて4年連続二冠王は16年間生まれなかった記録。過去にこれを達成した赤石光生、本田多聞(ともに日大)とも五輪3度連続出場を達成しているだけに、小幡の今後にかかる期待も大きい。

 決勝戦は最初にポイントを取ったあと、やや攻撃力が鈍った。学生相手に負けることはまったく考えていなかったが、本来より1階級上の出場であり、相手が大きいだけに「投げ技を警戒した。(大学の)最後に負けるわけにはいかなかった」と振り返る。

 負けられない理由は、団体優勝達成のためにも必要だった。入学してからの3年間は常にリーグ戦など何らかの団体戦で優勝してきたが、自分が主将となった今年はリーグ戦、全日本学生王座とも優勝を逃しており、「負けるわけにはいかなかった」と言う。

 4年間で黒星を喫したのは、グレコローマンで菅太一(日大)に負けたほか、アトランタ五輪銅メダルの太田拓弥の2敗だけ。もはや国内で勝つのはあたりまえ。いかに世界で勝つかが、今後の課題となろう。

 これまでの2度の世界選手権では、いずれも世界チャンピオンと同じグループとなり、結果は出ていないが「力の差は思ったほどなかった」という感触を得ている。今後の鍛え方次第では十分に世界トップまで昇ることが可能だろう。「これまでは学生の大会が次々とあって、減量が大変だった。これからは世界の戦いに絞ることができる。思い切って動けると思う」と気合は十分。

 まず12月の全日本選手権で4連覇を果たし、冬の遠征から勝負をかける。「来年の世界選手権で、10位以内(五輪出場資格)を目指します。それだけの力はあると思っています」ときっぱり言い切った。



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