【特集】家族らの応援が励みに…女子55kg級・吉田沙保里



 5人の総当り戦となった女子55kg級は、吉田沙保里(中京女大)が初戦で昨年のアジア・チャンピオンで、最大のライバルと目されていたサン・ドンメイ(中国)にテクニカルフォール勝ち。タックルや腰投げが次々に決まり、2分58秒でけり。金メダルへ大きく前進した。


 吉田沙保里の話「今までで一番緊張しました。全日本の合宿で右足をひねり、3日前までスパーリングができない状態でしたが、不安はありませんでした。コーチが「足を止めるな!」と叫んでいたのが聞こえましたが、自分でもよく動けたと思います。父、母、兄、おじ、いとこ、それに隣のおばちゃん、みんが応援してくれたのがとてもうれしくて…。このあとも気を引き締めて、焦らずにひとつひとつ勝っていきます」

 
栄和人コーチの話「伊調が決勝戦で負けたのを見て、燃えていましたよ。執念を感じましたね。フワッと試合に入ったので最初は全くダメでしたが、ポイントを取ってからよくなりました。いつも通りの動きができて、最後は無理にフォールを狙わずにポイントを取ってテクニカルフォールを考えていたそうなので、状況がしっかりと判断でき、落ち着いていたんですね。まだ優勝が決まったわけではないし、くねくせ者のインド選手との試合もあるので、油断せずに頑張ってもらいたいものです」

(取材・宮崎俊哉)



《前ページへ戻る》