【特集】「韓国に負けた悔しさを3決へ」…グレコ58kg級・笹本睦



 日本選手が何度も泣かされてきた韓国びいき判定。笹本のカン・キュンイル(韓国)との準決勝も納得のいかないローリングの判定だった。だが、3位決定戦に出るにあたって、気持ちを切り替えなければならない。「(韓国に)負けて悔しかったので、3位決定戦は絶対に勝ちたかった」。その思いを9分間持ち続け、メダルという最低限度の目標をクリアした。

 カシェイガノフ(カザフスタン)は昨年の東アジア大会63kg級2位。その前年までは69kg級でファイトしていた選手だけにパワーはあった。「ちょっぴりびびっていました。相手の得意のリフトで1点しか取られなかったとき、いけるかな、と。パッシブを全部取ったのがよかったと思う」と勝因を話した。

 正直なところ、このアジア大会より2週間前の世界選手権の方が目標だった。その大会は今回とは別のウズベキスタン選手に敗れてベスト8入りを逃した。「世界のこの階級にはアジア選手が上位にいる」という現実を認識することで気持ちの切り替えがうまくいったという。

 金がよかった」とは言うものの、最低目標はキープできた。「来年の世界選手権はメダルを取らないと、オリンピックにつながらないので頑張ります」と、最後は笑顔だった。

(取材・宮崎俊哉)



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