フリースタイルも五輪存続のピンチ!




 国際オリンピック委員会(IOC)のプログラム委員会が、夏季五輪の肥大化抑止策として、2008年北京五輪からいくつかの競技・種目をはずすことを提案した問題に関し、当初、「レスリングのグレコローマン」と報じられたが、同委員会の正式な文書によると「grecoroman or freestyle」と記されていることが明らかとなり、男子レスリングを一本化するべきだ、との提案だったことが分かった。

 レスリングは1896年の第1回アテネ五輪でグレコローマンが実施され、世界選手権が開催されたのもグレコローマンの方がはるかに古い。昨年の世界選手権はフリースタイルが47か国222選手出場したのに対し、グレコローマンは53か国243選手(女子は28か国100選手)。昨年だけでなく、グレコローマンの方が出場選手が多いのが普通で、世界的にはグレコローマンの方が盛んといえる。

 しかし、オセアニアではほとんど行われておらず、アジアの一部でも最近になってやっと取り組んだ国もある。テレビ局ほかの力で五輪に影響力を持つ米国ではフリースタイルが圧倒的に人気があり、このあたりの理由によって、“グレコローマンの削除”と報じられたようだ。

 いずれにせよ、世界のレスリング界は重大な岐路に立たされたといえる。



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