【特集】吉田沙保里が世界チャンピオンに4連勝



 世界選手権代表選考の参考試合最終戦が7月7日、新潟・十日町市の日大合宿所で行われ、注目の55kg級、吉田沙保里(中京女大)VS山本聖子 (日大) の3度目の試合(今春通算4度目)は、吉田が5−4で山本を退けた。すでにアジア大会(10月、韓国)の代表は勝ち取っていたものの、この勝利で世界女子選手権(11月、ギリシア)の代表の座も見事に勝ち取った。

 先月、カナダで行われた世界学生選手権 (山本が55kg級、吉田が59kg級に出場) では、それぞれズバ抜けたスピードと技の切れを見せて優勝。4月の「ジャパンクイーンズカップ」以来、吉田に負け続けていた山本も本来の動きを取り戻したようで、2人の戦いはいっそう白熱した試合が予想された。

 実際に開始早々から緊迫した攻防の連続となった。パーテールポジションから山本が吉田を返して2ポイント取ると、すぐさま吉田が切り返し、2ポイントを奪取。その後も両者パーテールポジションからの攻撃で得点を奪い合ったが、最後までタックルに入り、攻め続けた吉田が、相手の場外逃避による1ポイント差で世界で最も過酷な代表争いを制した。


 吉田はこれまで、国内では敗れたことはあるが、世界ではカデット(16〜17歳)、ジュニア(18〜20歳)時代を含めて無敗。そのうえ3年連続の世界チャンピオンを引きずり落としての世界選手権だけに、初出場初優勝が期待される。(文・宮崎俊哉)



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