【特集】出るからには絶対に勝ちたい…八木淳子




 女子プロレスラー・プロ格闘家の八木淳子(会田ビル)が浜口京子(浜口ジム)に“挑戦”する。八木は4月7日に行われる「ジャパンクイーンズカップ2002」への出場を決意。同階級の浜口との対戦が実現することになった。レスリング初挑戦でいきなりの「女王挑戦」に気合十分で、結果次第ではオリンピック出場も狙いたい意気込みを明かした。

 八木にレスリング出場の話が持ち上がったのは24日だ。参戦を即答したものの、本番までの準備期間はわずか2週間。柔道の経験は豊富なものの、レスリング未経験なだけに、あわてて帝京大の後輩から紹介してもらったレスリング・クラブへかけこんだという。

 現在は主戦場を井上京子らが所属する「NEO」に置き、フリー戦士として暴れまわる一方で、女子総合格闘技の世界でも活躍。ハードスケジュールをおしてまでも未知の分野へ飛びこもうと思ったのは、世界V3の浜口の存在が大きかった。

 「出場しようと思った階級に、浜口選手がいると知って、どうしてもやってみたいと思った」と、絶対的に準備期間が足りない状況を承知で参戦を受諾。レスリング初挑戦、少ない練習時間と明らかに不利な条件でも、動揺するどころか「楽しみで仕方ない」と胸をはずませる。

 道場ではスパーリングを中心にし、基礎トレーニングにも力を入れる。「なにしろ時間がない。基礎を教わってあとは黙々とスパーリングするしかないんです」と苦笑する。それでも13年間続けた柔道で身につけた力強さは、スパーリングの相手をつとめた東京・安部学院高の成富利弘監督も「世界選手にひけをとらない。浜口選手にも対抗できる」と太鼓判。同じく仮屋崇コーチは「浜口選手は経験も力もある。同じレスリングじゃだめ。柔道で培った腰の粘り強さを生かしてスタンドで勝負し、先にポイントをとれば勝機が訪れる可能性は十分ある」とアドバイスを送った。

 試合ビデオで対策も研究している。「右組みからくる左足タックルが得意みたいなので、それは注意したい」と、練習でも常に浜口を意識したスパーリングを行っている。

 最近の浜口は技術だけでなく、精神的にも世界トップクラス。たった2週間の練習で浜口への挑戦は無謀ともいえるが、八木は「出るからには絶対に勝ちたい」と女王越えに意気込む。「とても楽しいので続けたい」と、今後もプロレスや総合格闘技と並行してレスリング参加を続けたいそうで、「今回の試合で感覚を覚えて、オリンピックを目指したい」と夢は広がる。



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