浜口京子が世界一奪還を胸に欧州遠征へ


 世界一奪還を目指す女子75kg級の浜口京子(浜口ジム)が1月17日、欧州遠征に出発。世界チャンピオンへの返り咲きを高らかに宣言した。

 昨年11月にソフィア(ブルガリア)で行われた世界選手権では、準決勝のエディタ・ビトコウスカ(ポーランド)に判定負け。続く3位決定戦でもニナ・イングリッシュ(ドイツ)にフォール負けを喫し、世界一奪還はおろか3位だった前年よりも順位を落とし、メダルにも手が届かない屈辱を味わった。97年から99年にかけて3連覇を成し遂げた栄光を取り戻すためには、負けを恐れずに前進するしかない。

 負けた2試合は、ともにコンタクト・ポジション(クリンチ)から投げられてのもの。一昨年までは、他の選手と実力の差があり、第1ピリオドを0−0で終わることなどなかったため、クリンチでの練習をほとんどしていなかったのが実情。他国のレベルアップの前に、対策不足・準備不足だった。その反省をもとに練習を積み、「(クリンチでのスタートにならないように)第1ピリオドで3ポイント以上取るのが理想ですけど…」と前置きしながら、対応できる自信をアピール。実戦で試してみたいところであり、場合によっては、第1ピリオドをわざと0−0で終わらせることも必要かもしれない。

 今回の遠征では、フランスのトゥルクァンで行われる「ショーブ女子国際大会」に出場したあと、ドイツへ渡って地元チームとのデュアルミート(対抗戦)が控えている。「ショーブ女子国際大会」は、浜口が95年の大会で前年の1階級下の世界チャンピオンのニコラ・ハートマン(オーストリア)を破って優勝し、世界へ飛躍した地。同年にはドイツ国際大会でも優勝している。

 さらに、フランスは1997年にクレルモンフェランで行われた世界女子選手権で優勝した場所。すべてにおいて縁起のいい場所へ遠征するわけで、初心に戻り、再飛躍へつなげたいところだ。「適度なプレッシャーはありますけど、落ちついてやる」とリラックスした表情を浮かべた。

 「今年の目標は、まず世界選手権で復活すること。自分が未熟であることが分かったので、修行するつもりで試合をこなしたい」と話す浜口。階級区分の変更で、これまでより3kg軽い72kg級での試合や、女子の採用が濃厚となった10月のアジア大会(韓国・釜山)での優勝など、世界一奪還以外にも乗り越えるべき試練≠ヘ次々と待ち構えている。レスリングを始めてちょうど10年となる区切りの年は、勝負の年でもある。



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