女子は5階級で金メダル獲得…世界選手権最終日(午後)



 男子フリースタイルと女子の世界選手権最終日は9月14日、ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンで決勝までが行われ、女子で決勝へ進んだ5階級すべてで金メダルを獲得する快挙を成し遂げた。

 72kg級の浜口京子(ジャパンビバレッジ)は2年連続5度目の優勝、59kg級の山本聖子(ジャパンビバレッジ)が2年ぶり4度目の優勝、55kg級の吉田沙保里(中京女大)と63kg級の伊調馨(中京女大)がともに2年連続2度目の優勝、51kg級の伊調千春(中京女大)が初優勝。

 女子の金メダル5個は、1994年の「金6個」に続く快挙だが、当時は9階級あり、3階級で金を逃している。7階級中5階級制覇は、史上最高の成績と言っていい。

 他の2階級は、48kg級がウクライナ、67kg級は米国が取った。国別対抗得点は、日本と米国がともに62点で、金メダルの数で日本が2年連続11度目の優勝。3位が45点でロシアで、以下、中国(33点)、ウクライナ(27点)、カナダ(24点)だった。。

 男子はロシアが3階級を制し、ウズベキスタンが2階級、アゼルバイジャンとグルジアが1階級ずつ取った。団体優勝はグルジア。


 ◎女子

 
【51kg級】伊調千春(中京女大)

決 勝 ○[3−0] Natalia Karamchakova(ロシア)

     

 
《経過》先にパッシブを取られた伊調だが、グラウンドは耐える。このあと一進一退が続き、0−0で第1ピリオドを終わるかと思われたラスト10秒、伊調が片足タックルで1点を獲得、クリンチ・スタートは免れる。

 第2ピリオドは回りこんで1点を加えたが、後が続かない。しかしラスト20秒ころ、タックルが相打ちとなってもつれたあと伊調がバックを取り、貴重な3点目を挙げた。


 【55kg級】吉田沙保里(中京女大)

決 勝 ○[5−2] Tina George(米国)

     

 
《経過》足がややすべったような吉田。その瞬間、ジョージにバックを奪われた。しかし片足タックルで1−1へ。タックルで場外へ出して2−1とリード。

 第2ピリオド開始早々に片足タックルを許してしまい2−2とされたが、1分20秒、回り込んで3点目をゲット。さらに片足首への低いタックルを2度決め、5−2として振り切った。


 【59kg級】山本聖子(ジャパンビバレッジ)

決 勝 ○[4−0] Natalia Ivashenko(ロシア)

       

 
《経過》両者1度ずつのパッシブはともにノーポイント。0−0で進み、第1ピリオドのラスト5秒、山本ががぶりから押し倒して3点を取った。

 第2ピリオドにもタックルで1点を取り4点差。あとは余裕をもってあいての攻撃をかわし、そのままのスコアで勝った。


 【63kg級】伊調馨(中京女大)

決 勝 ○[4-3=8:20] Sara McMann(米国)

     

 
《経過》先にパッシブを取られた伊調はローリングにかかり0−1。しかし正面タックルで1−1として第1ピリオド終了。

 第2ピリオドはタックルとがぶりからの足首取りで1点ずつマークして3−1としたが、1分40秒、タックルを受けて3−2へ。ラスト8秒、引き落とし気味の技にかかり、3−3とされた。

 延長でも先にパッシブを取られる。これは耐えたものの、パッシブの数が0−2となってラスト1分を切った。しかし相手のタックルを冷静に受け止めると、必死の思いでバックを取り、貴重な1点を取って競り勝った。


 【72kg級】浜口京子(ジャパンビバレッジ)  

決 勝 ○[4−1] Toccara Montgmery(米国)

      

      

 
《経過》浜口は先にパッシブを取られたが、グラウンドは耐える。モンゴメリーのタックルを受け止めると、相手のわき腹に自分の頭をつけてやっと先制の1点。2分15秒かかった。しかしタックルへいったところを崩され1失点。

 第2ピリオドに入り、1分ころ、タックルを受け止めて2−1へ。2分26秒、パッシブを取ると、パーテールポジションからこん身の力をこめて横崩し。モンゴメリーの肩が返り、貴重な2点を入れた。残り20数秒、相手の攻撃をかわし、5度目の世界一にたどりついた。




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