女子4階級と小幡邦彦が五輪出場資格を獲得、池松和彦も準決勝へ…世界選手権第2日(午後)



 男子フリースタイルと女子の世界選手権第2日は9月13日(日本時間14日午前)、各階級の準々決勝までが行われ、午前の部で五輪出場資格を獲得した男子フリー66kg級の池松和彦(日体大助手)が準々決勝を勝ち、準決勝へ進出。同74kg級の小幡邦彦(綜合警備保障)も10位となる見込みで、ぎりぎりで五輪出場資格を獲得した。

 世界選手権での男子の準決勝進出は、1995年にフリー62kg級の和田貴広とグレコ48kg級の嘉戸洋が決勝へ進出して以来。池松は決勝進出をかけ、ことしの欧州チャンピオンのイルベク・ファルニエフ(ロシア)と対戦する。

 小幡は決勝トーナメント1回戦で敗れたものの、内容で10位にランクされる見込みで
(正式には大会終了後に主催者から発表されるが、規定によると小幡が10位となる)、五輪出場資格に手が届く。同55kg級の田南部力(警視庁)は、準々決勝でアジア大会優勝のディルショド・マンスロフ(ウクライナ)に敗れ、7位となる見込み。

 女子は55kg級の吉田沙保里(中京女大)、63kg級の伊調馨(中京女大)、72kg級の浜口京子(ジャパンビバレッジ)がいずれも準決勝進出を決め、5位以内の五輪出場資格をクリア。48kg級の坂本真喜子(愛知・中京女大付高)は準々決勝で00・01年世界チャンピオンのイリナ・メルニク(ウクライナ)に敗れたものの、内容によって5位になる見込みで
(注:小幡のケースと同じ)、五輪出場資格を獲得した。

 女子51kg級の伊調千春(中京女大)と59kg級の山本聖子(ジャパンビバレッジ)は午前の部で準決勝進出を決めており、5選手が4位以内を確保している。

 各階級の成績は下記の通り。


 ◎男子フリースタイル

 
【55kg級】田南部力(警視庁)

準々決勝 ●[2−5] Dilshod Mansurov(ウズベキスタン)

 ※田南部は(五輪出場資格は獲得済み)

 

 
《経過》1ポイントを先制された田南部。すぐに取り返して1−1としたが、1−4と差を広げられて第1ピリオド終了。第2ピリオドも1点を取られ、最後に取り返して2−5としたものの、そこで終了。


 【66kg級】池松和彦(日体大助手)
 
準々決勝 ○[6−2] Nikolaos Loizidis(ギリシア)

 ※池松は準決勝進出。4位以内を確保(五輪出場資格は獲得済み)。

   

 
《経過》パッシブを取られローリングで0−2とされたが、片足タックルとアンクルホールドで2−2。第2ピリオドの中盤、3点となるタックルを決め、その後も攻撃の手をゆるめずに勝った。


 【74kg級】小幡邦彦(綜合警備保障)

決勝T1回戦 ●[1-3=7:50] Murad Gaidarov(ベラルーシ)

 ※小幡は規定により10位となる見込み。

 

 
《経過》ローリングを2度受けてしまい0−2と苦しい展開の小幡。延長に入り、クリンチからバックを取って1点を返したが、その後、1点を取られてしまい3点目を失った。


 ◎女 子

 
【48kg級】坂本真喜子(愛知・中京女大付高)

準々決勝 ●[2−5] Irina Melnik(ウクライナ)

 ※坂本は規定によって5位となり、五輪出場資格を獲得。

  

 
《経過》元世界チャンピオンの巻き投げで1点を失い、その後もスピードに翻ろうされた坂本。0−3から2−4と追い上げたものの、最後に再びポイントを取られ突き放された。


 【55kg級】吉田沙保里(中京女大)

決勝T1回戦 ○[フォール、0:20=4-0] Monika Michalik(ポーランド)

 

 
《経過》開始早々、3点となる豪快なタックルからそのままフォール勝ち。

準々決勝  ○[Tフォール、2:51=10-0] Jennifer Ryz(カナダ)

  

 ※吉田は準決勝進出。4位以内を確保し、五輪出場資格を獲得。

 
《経過》タックルとグラウンド攻撃がさえ、いつもの攻撃レスリングで第1ピリオドの終了を待たずに10点差をつけた。


 【63kg級】伊調馨(中京女大)

準々決勝 ○[フォール、3:35=7-0] Volha Khilko(ベラルーシ)

 ※伊調は準決勝進出。4位以内を確保し、五輪出場資格を獲得。

 

 
《経過》第1ピリオド、タックルとグラウンド技で4点を先行した伊調。第2ピリオド開始早々にもタックルを決め、そのままフォールした。


 【72kg級】浜口京子(ジャパンビバレッジ)  

決勝T1回戦 ○[4−0] Edyta Witkowska(ポーランド)

 ※浜口は準決勝進出。4位以内を確保し、五輪出場資格を獲得。

    

 
《経過》タックルを2度決めて2−0で第1ピリオドを終了。第2ピリオドに入ってもつけ入るスキを与えず、逆に攻めて2点を獲得。新旧世界チャンピオンの戦いは、現役チャンピオンの浜口が快勝した。




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