世界選手権・男子フリースタイル展望



 世界選手権(男子フリースタイル、女子)は9月12〜14日、米国ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンで行われる。男子フリースタイル各階級の見どころをさぐってみた。

 なお最終エントリーは11日は行われ、計量と組み合わせ抽選は11日午後6時(日本時間12日午前7時から行われる。(文責・日本協会広報委員会)


 【55kg級】

 昨年の世界チャンピオンのレネ・モンテロ(キューバ)、同2位でシドニー五輪54kg級王者のナミク・アブデュラエフ(アゼルバイジャン)、世界3位のアレクサンダー・ザカルク(ウクライナ)らがトップ集団。

 アジアからは03年アジア王者のモハマド・アスラニ(イラン)が国内の強豪を退けて代表権を獲得。ウズベキスタンからはアジア大会の55kg級王者のディルショド・マンスロフ。もちろん、昨年6位で、モンテロ、アブデュラエフに勝ったことのある田南部も先頭集団にくいついている形。

 地元米国からは2年連続ワールドカップ優勝のステフェン・アバスが出場する。ほかにシドニー五輪4位で01年世界王者のゲルマン・コントエフ(ベラルーシ)、ロシア代表(アレクサンダー・カントエフ=01年世界3位=が有力)あたりが上位グループとなる。

 【60kg級】

 昨年の世界王者のアラム・マルカリャン(アルメニア)、同2位でアジア大会王者でもあるオユンビレグ・プレフバートル(モンゴル)、同3位で世界王者経験者のモハメド・タラエイ(イラン)の強豪が参加が確定。01年世界王者のギフィ・シサオウリ(カナダ)も加わり、選手数からいってもかなりの激戦となりそう。

 【66kg級】

 95・99・02年世界王者のエルブラス・テデエフ(ウクライナ)。昨年2位でシドニー五輪58kg級王者などのアリ・レザ・ダビエル(イラン)のほか、ロシア、ブルガリアあたりから優勝選手が出そう。

 韓国はアジア大会王者ではなく、ことしのアジア選手権4位の選手がエントリーしてきた。

 【74kg級】

 ロシア代表の情報が入ってこないが、五輪1度と世界4度を制しているブバイサ・サイキエフ、昨年世界2位のマゴメド・イサガチエフなど誰が出ても優勝候補。昨年の世界王者のメフディ・ハジザデフ(イラン)との戦いになるか。

 ほかに2年連続欧州王者のアルパド・リッター(ハンガリー)、欧州2位のアレクサンダー・レイポルド(ドイツ)、4年連続ワールドカップ優勝のジョー・ウィリアムス(米国)、アジア大会優勝のムン・エウイヤエ(韓国)ら強豪が並ぶ。

 【84kg級】

 シドニー五輪王者で、99年以来の欧州や世界で勝ち続けているアダム・サイキエフ(ロシア)が出場すれば、優勝候補の最右翼。昨年世界2位で99年世界チャンピオンのヨエル・ロメロ(キューバ)、世界3位のマジッド・コダエー(イラン)などが挑む。

 米国からは全米大学選手権を4年連続で制したカエル・サンダーソンが、今度こそ世界選手権に初出場する。01年はテロで大会が延期となり、大学の大会の関係で出場辞退。02年は米国がイランでの安全が保障されないとしてボイコットし、2年連続で米国代表になりながら2度とも空振っていた。

 【96kg級】

 世界王者のエルダリ・クルタニーゼ(グルジア)、世界2位でアジア無敵のアリレザ・ヘイダリ(イラン)、常に欧州と世界の上位に顔を出すバディム・タソエフ(ウクライナ)と強豪がそろう階級。

 【120kg級】

 ロシア代表の情報が未入手。シドニー五輪優勝で、以後の欧州・世界を2年連続で制しているダビッド・ムスルベス(ロシア)、97kg級で世界王者の経験があり、昨年の欧州も制したクラマゴメド・クラメゴメドフ(ロシア)のどちらが出てきても優勝候補。あと一歩で世界一に手が届かないアーチュー・タイマゾフ(ウズベキスタン)の2選手を中心に優勝争いが展開されそう。




《前ページへ戻る》