【特集】「世界選手権ではメダルが目標」…豊田雅俊



 ポーランドへ遠征していた全日本グレコローマン・チームは8月26日、約2週間の遠征を終えて帰国。「ピトライスニスキ国際大会」で優勝した55kg級の豊田雅俊(警視庁)は成田空港で元世界王者を破っての好成績を「うれしい」と表現する一方、「すぐに研究されてしまいます」と警戒心も口にした。

 アテネ五輪の出場資格がかかる10月の世界選手権に対しては、「五輪出場枠が目標ではダメ。メダルが目標」と気合を入れた。(取材・構成・写真撮影/横森綾)


 豊田雅俊の話「レベルが高いと言われる大会で結果を残せて、嬉しいですね。準決勝で対戦したラドケヴィチ(ベラルーシ)は2年連続ヨーロッパ4位で一昨年は欧州チャンピオン、決勝のエルカン(トルコ)は97年の世界チャンピオンです。その中を勝ち抜けたのはうれしいです。

 守りもしっかりできたし、80%くらいはいい試合ができたと思います。残りの2割は、組み手の部分で押される場面が何度かあったことです。もっと楽に勝てたのに、手こずりましたね。

 今回の大会は、世界選手権前なので、得意技も隠さずにすべてを出し切ってきました。研究されてないこともあって、勝てたのではないでしょうか。すぐに研究されて、世界選手権は厳しい攻めになるでしょう。研究されても大丈夫なようにしてゆきます。

 試合でアバラを傷めてしまい、しばらく練習ができなくなるのですが、たいしたことがないと思います。すぐにJISS(国立スポーツ科学センター)で診察してもらってきます。

 世界選手権ではメダルを取るつもりでいきます。五輪出場枠を、との声がよく聞こえますが、その程度の意気込みでは取り損ねるような気がするので、メダルを取るつもりでいってきます」(写真右は3位入賞の60kg級・笹本睦)




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