【特集】世界で最もキツイ合宿を支える、みんなのおばあちゃん




 新潟県十日町市塩ノ又の「櫻花レスリング道場」は、昨年、日本オリンピック委員会の「レスリング競技強化センター」に認定され。オープンして12年。林千代さん(75)は合宿中の食事を作り続け、選手たちから「おばあちゃん、おばあちゃん」と何かと頼りにされ、親しまれている。

 合宿中の林さんの日課は、朝練習がはじまる7時半過ぎから朝食兼昼食を準備。午後練習が始まる3時過ぎからは夕食の準備に取りかかり、選手たちが食事中におやつや夜食を用意しておく。メニューはお嫁さんの幸子さんが考えるが、2人がかりで作る料理は毎食40人前以上。かなりの重労働だが、「アテネ・オリンピックまではがんばり続ける」と語ってくれた。(取材・文/宮崎俊哉)


 林千代さんの話「春になって、女子レスリングの合宿が始まるのが楽しみです。冬の間は、いつも早くみんなに会いたいなぁ、と思っていますよ。みんな孫やひ孫みたいで、とってもかわいくて。“おばあちゃん”って呼んでくれるからね。私たちなんかが作ったものでも、残さず食べてくれるのがうれしい。食事の支度をしながら、時々試合や練習をのぞきますが、みんな大変ですね。ケガしないでがんばってくれるのが何よりです。最近は足が痛くなってきて、めっきり弱ってきてしまいましたが、来年のアテネ・オリンピックまでは私もみんなを応援しながら、いっしょにがんばっていきたいと思います」

 
【写真】千代おばあちゃん(中)とキャプテン浜口京子(左)、12年間合宿所に通い続けるベテラン吉村祥子(右)



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