【特集】新ルール対策が実って日本一へ…男子フリー84kg級・磯川孝生

 ▼2回戦  磯川孝生(拓大)○[2−0(1-0,TF7-0)]●今井晋次郎(中大)
 ▼準決勝 磯川孝生(拓大)○[2−0(1-0,2-1)]●小西誠(自衛隊)
 ▼決  勝 磯川孝生(拓大)○[2−0(1-0,1-0)]●山本悟(岡山聾学教)

  《決勝戦経過》第1ピリオドは0−0。クリンチはコイントスで磯川が勝ち、片足をつかんだまま攻めて場外へ出して1点を取り先取。第2ピリオドも0−0でクリンチ勝負となり、コイントスで山本に攻撃権。しかし磯川は片足を切り、残り時間を逃げ切って、2−0で勝った。


 キッズレスリング時代から全国に名をとどろかせ、2002年に高校四冠王と全日本選手権で3位入賞。翌03年には1年生の学生王者に輝いた磯川が全日本チャンピオンに登り詰めた。

 勝った直後、セコンドの西口茂樹コーチのもとへ駆け寄って歓喜の抱擁。「コーチと新ルールに対する作戦をよく練った。コーチと両親に感謝したい」と初優勝の感激いっぱい。徹底した新ルール対策のおかげで、初めて経験するフリースタイルのクリンチは、攻撃側になっても防御側になっても自信があったという。

 4月の全日本選抜選手権の決勝は横山秀和に敗れ、表彰台で周囲もはばからずに悔し涙を流していた。その悔しさをばねにしての全日本王者。「横山さんが抜けて優勝した形だけど、やっぱりうれしい」と、今度は喜びの涙をこぼさんばかりだった。

 ことしは9月の全日本学生選手権決勝で松本真也(日大)に屈し、悔しい思いも経験したが、最後に最高のタイトルを取れていい1年になったことだろう。来年の飛躍に期待できる。




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