【特集】キャリア4年半の20歳が快挙達成…男子グレコ74kg級・鶴巻宰

 ▼1回戦  鶴巻宰(国士大)○[2−0(3-0,1-0)]●後藤秀樹(日体大)
 ▼準決勝 鶴巻宰(国士大)○[2−0(1-0,3-0)]●永田克彦(新日本プロレス職)
 ▼決  勝 鶴巻宰(国士大)○[2−0(1-0,1-0)]●菅太一(警視庁)

  《決勝戦経過》第1ピリオドは0−0で終わり、菅有利のクリンチ。菅がそり投げで勝負をかけたところを鶴巻が体を預けてポイントを獲得。第2ピリオドは菅が攻めたものの、場外際で鶴巻が体を入れ替えて菅を場外へ出して1点獲得。この1点を守りきり、2−0で勝負を決めた。


 グレコローマン学生二冠王の鶴巻が、準決勝でアテネ五輪代表の永田克彦を撃破。勢いに乗って決勝で昨年の全日本王者の菅太一を破り、初優勝を遂げた。

 永田戦の第2ピリオドは鮮やかなそり投げが決まった。「自分の得意な組み手ができたので、いくしかないと思った。『よし!』という感触十分でした」と満足そう。永田がシドニー五輪で銀メダルを取った時は米沢工高校の1年生で、まだキャリア半年の時。「ずっと格上の人でしたので、うれしいです」と、自らの勝利が信じられない表情。永田に勝ったのはもちろん初めてで、自身の記憶では4度目の対戦だったという。

 決勝では、第1ピリオドを永田戦に続いてのクリンチ勝利。「クリンチは自信があります」と話すが、手足が長い体型は確かにクリンチ勝負が強そう。「どんどん前に出ようと思った」という第2ピリオドも、必要に応じて菅の攻撃をかわして1点を取り、考えたレスリングのできる選手だ。

 20歳でのグレコローマン全日本王者は、そう多くはいない。「これに満足せず、もっと練習して上を目指したい」と話した気持ちを忘れず、世界へ飛躍してほしい逸材である。




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