【特集】目標とする先輩を破って初優勝…女子59kg級・中西はつみ



 ▼2回戦 中西はつみ(中京女大大学院)○[フォール、1:40]●大島貴子(福岡大)
 ▼準決勝 中西はつみ(中京女大大学院)○[フォール、3:11]●西牧未央(愛知・中京女大付高)
 ▼決 勝 中西はつみ(中京女大大学院)○[2−0(4-1,3-1)]●岩間怜那(リプレ)

 《決勝戦経過》第1ピリオド、岩間がタックルで攻め、中西が切り返して1点先制。岩間が返して1−1。ラスト10秒、中西が投げて3点を獲得し第1ピリオドを取った。第2ピリオドは岩間が開始早々に1点を取ったが、ラスト3秒に中西が岩間を背中からマットに落として3点をゲット。2ピリオド連取で全日本チャンピオンを奪取した。(写真は、青が中西)



 大学時代まで柔道に打ち込むかたわらレスリングに接し、卒業後、中京女大の大学院へ進んでレスリングを続けている中西が6連覇を目指す岩間怜那を破って初優勝を達成した。両ピリオドとも終了間際に決勝のポイントを取っての勝利で、中西は感慨無量。「最後まであきらめなかったのがよかったと思います」と涙がとまらない。柔道出身選手らしく投げ技が得意なので、必ず仕掛けるチャンスがくると思って戦ったという。

 大学を卒業する時、レスリングに強い興味を持ち、レスリングを続けられる環境に進もうかどうか迷ったそうだ。そして、その道を選んだ。「自分を信じて、監督を信じて、中京で頑張ってやってきてよかったです」と、その選択が実って本当にうれしそう。中京へ進んだ直後の4月のアジア選手権代表選考会は、高校生(山名慧=愛知・中京女大付高)にテクニカルフォールされる屈辱を味わったが、最強軍団での練習で着実に力を伸ばし、ワールドカップ出場も果たして今回の飛躍へとつなげた。

 2年上の岩間とは練習で何度もやっている間柄。「お姉ちゃんタイプの先輩で、いつも頼って尊敬しています。いつかは勝ちたいと思っていたので、今日は本当にうれしいです」。おそらく初めてであろう大勢のマスコミに囲まれてのインタビューに、涙声はいつしか誇りいっぱいの声に変わっていった。

「新ルールは自分に合っていると思いました。これからも頑張ります」。すでに1月下旬のロシア遠征に参加することが決まっており、これからの世界での飛躍が楽しみだ。




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