綜合警備保障が吉田沙保里(中京女大)の来春の入社を発表




 アテネ五輪女子55kg級金メダリスト、吉田沙保里選手(中京女大)が来春、綜合警備保障株式会社へ入社することになり、12月17日、東京都赤坂の本社で、同社の役員、同社レスリング部の大橋正教監督、中京女大の杉山三郎部長、栄和人監督が同席して入社内定記者会見が行われた。また、女子59kg級で昨年まで5連覇を達成している岩間怜那選手が今月末でリプレ化粧品を退社し、来年1月1日付で同社へ入社。女子2選手で北京五輪を目指すことも合わせて発表された。

 同社は柔道、レスリングなどのスポーツ活動に力を入れており、アテネ五輪にはレスリングで男子グレコローマン60kg級の笹本睦、同フリースタイル74kg級の小幡邦彦、柔道の井上康生、塚田真希の4選手を送った。ほかにレスリングで2選手が活動しており、練習に専念できる環境下で飛躍を目指している。会見には、五輪金メダリストの進路発表らしく、テレビ局6社を含めて20を超えるメディアが訪れた。

 来春、大学を卒業する吉田選手には、五輪後、多くの企業から勧誘があった。吉田選手は「レスリングに理解があり、実績があるから」という理由で綜合警備保障を選んだ理由を説明。「練習に専念できる環境で思う存分に練習したい。連勝記録を続け、夢をかなえられる選手になりたい」と抱負を話し、当面の目標を21日から始まる全日本選手権での優勝と来年の世界選手権での優勝とした。

 練習は引き続き中京女大で行い、栄和人監督が同社から指導を任せられる形でコーチを続ける。栄監督は「多くの企業の中から熱心さで一番だった綜合警備保障にお世話になることにした。必ず北京五輪で金メダルを取らせえて期待にこたえたい」と、連続金メダル獲得を宣言。吉田選手には「今までは、甘いもの禁止令とか細かい指導もしていたが、社会人になってそれでは駄目。自分の体調は自分で力で管理できるようになってほしい」と要求した。

 入社は卒業式翌日の来年3月21日。その4日後には東京・駒沢体育館で世界選手権代表候補選考会となるジャパンクイーンズカップ2005が開催される予定で、その大会が綜合警備保障所属としてのデビュー戦となる予定。

 同社スポーツ部を管轄する三輪弘志・教育訓練部長は、今後の女子選手の採用について「様子を見て、いい選手がいたら考えたい」と話し、吉田の成績次第で女子レスリングへの本格参入も示唆。これまでジャパンビバレッジ、リプレくらいしか活動の場がなかった女子の社会人選手だが、警視庁、自衛隊に続いて綜合警備保障への期待も出てきた。


 柔道・井上康生選手のメッセージ「アテネで一緒に戦った吉田さんと同じ職場になり、同じ目標に向かって頑張っていけることを心からうれしく思っています。お互いに切磋琢磨して励ましあっていきたいと思います」

 
柔道・塚田真希選手のメッセージ「アテネの時一緒に出場した選手が、同じALSOK(綜合警備保障)のチームとして一緒になれることが、とても心強いです。これからもお互い、北京オリンピックを目指してがんばりましょう」

 
グレコローマン60kg級・笹本睦選手のメッセージ「これからはレスリング部がALSOK綜合警備を盛り上げることになりそうです。北京には全員が出場して、メダルを取る気持ちで頑張っていきましょう」

 
フリースタイル74kg級・小幡邦彦選手のメッセージ「これからはチームメートとしてやっていくことになりますが、北京目指してお互いに頑張っていきましょう」


三輪教育・訓練部長(左)、栄和人・中京女大監督とともに会見に臨む 報道陣のリクエストにこたえ、ファイティングポーズをとる。

ことし7月に行われた綜合警備保障の五輪選手の壮行会。 吉田選手(左)とともに綜合警備保障への入社が決まった岩間怜那選手。


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