国際レスリング連盟(FILA)がコーチ・セミナー&HPで新ルールの修正を提示




 国際レスリング連盟(FILA)は12月9〜11日、イタリア・ローマでラファエル・マルティニティー会長(スイス)らも出席してコーチ・セミナーを開催し、来年1月1日から実施される新ルールの説明を行ったが、アテネ五輪期間中の8月20日に行われた総会で決議され提示されたルールのうち、クリンチ、場外、同点で終わった場合の勝者決定方法などに修正箇所があることが分かった。FILAの公式ホームページ上にも、2005年1月1日付けの新ルール(pdfファイル)が掲示されている。

 伝えられていたルールと違う点は、
クリンチの制限時間(20秒 ⇒ 30秒)、フリースタイルのクリンチ(両者が片足を取り合うスタイル ⇒ コイントスで勝った方のみが片足タックルかハイクラッチの姿勢、コイントスで負けた方は取られる足を選べ、相手の肩か胴を絞めて守ることができる)、グレコローマンのクリンチ(両者四つ組 ⇒ コイントスで負けた方はクラッチしなくともいい。ただし、その場合は攻撃することはできず、30秒耐え抜いてセットの勝利を目指すことのみ許される。攻撃したい場合はクラッチを組む)、スタンドで場外へ出すこと(あらゆる形でも場外に出たら1失点 ⇒ 明らかにプッシュした場合は、プッシュした方に警告が与えられ、1点を失う)、グラウンドでの場外(スタンドで再開 ⇒ 場外に出た方が1失点)、同点の場合のセットの勝者(ビッグポイントの差、同じ場合には先取点 ⇒ ビッグポイントの差、警告の数、最後にポイントを取った選手)など。

 しかし日本から参加し、13日朝に帰国した和田貴広、嘉戸洋両コーチによると、FILAの役員で見解が分かれることもあり、各国からの質問に対してあいまいなまま終わった箇所もあるそうで、FILA内でも混乱していることがうかがえる。来月には同じローマでレフェリー・セミナーが行われるが、確定はその時になりそうだ。

 なお、21〜23日の天皇杯全日本選手権(東京・代々木第二体育館)はFILAの新ルールで実施される予定だが、今回、両コーチが持ち帰り、HP上で提示されている新ルールを採用するかどうかは、今後の強化委員会や審判委員会を中心とした協議にゆだねられる。
日本協会では、各所属の代表者は全日本選手権の前日(20日)午後4時から行われる監督会議に必ず出席するよう呼びかけていく。(なお、新ルールに関して協会事務局へのお問い合わせはご遠慮ください)


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