A・ナザリアン(ブルガリア)が11・3総合格闘技大会「ZST」に参戦



 アテネ五輪グレコローマン60kg級日本代表の笹本睦(綜合警備保障)のライバル、アルメン・ナザリアン(30=ブルガリア)が、11月3日に東京・Zepp Tokyoで行われる総合格闘技大会「ZST−GP2」に参加することが明らかになった。

 ナザリアンは96年アトランタ五輪のグレコローマン52kg級と2000年シドニー五輪の58kg級のチャンピオン。ほかに2002・03年に世界選手権60kg級で優勝しているが、アテネ五輪は3位に終わって五輪3連覇はならなかった。シドニー五輪では笹本を豪快に投げてテクニカルフォール勝ちしている。

 笹本はその悔しさをアテネ五輪でぶつけ、準々決勝での対戦では、リフト技で持ち上げて逆転寸前へ追い込んだ。しかし、ナザリアンは足にふれる反則でこの投げを回避。レフェリーは反則をとったものの、チェアマンらがそれを見逃してしまい、誤審に助けられて準決勝進出を果たした
(写真右は、誤審に助けられて準々決勝を勝ったナザリアンと悔し涙にくれる笹本)。ナザリアンは2008年北京五輪まで、総合格闘技とレスリングを並行してやっていく腹積もりだという。

 レスリングはプロアマが完全にオープンとなっており、プロ大会に出た選手がアマチュアの大会に出場するは問題がない。これまでに、ダン・ヘンダーソン(アトランタ五輪グレコローマン82kg級米国代表)やマット・リンドランド(シドニー五輪グレコローマン76kg級2位)、ランディ・クートゥアー(1997年世界グレコローマン選手権出場)ら、総合格闘技に参戦しながらレスリング活動を続けていた選手は多い。

 並行とまではいかなくとも、日本の修斗に1度だけ参戦したアテネ五輪グレコローマン55kg級出場のデニス・ホール(1995年世界選手権グレコローマン57kg級優勝)、日本のリングスに1度だけ参戦した五輪グレコローマン130kg級五輪3連覇のアレクサンダー・カレリン(ロシア)など、腕だめし的に総合格闘技を経験し、その後レスリング活動を続けていた選手は珍しくない。

 「ZST]は、解散したリングス(前田日明代表)の職員によって運営されている大会で、ルールもリングス・ルールに準じて作られている。



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