日本協会・高田裕司専務理事のFILA殿堂入り授賞式




 国際レスリング連盟(FILA)の殿堂入りした日本協会の高田裕司専務理事(山梨学院大教)の授賞式が8月28日、アテネ市内のスタンレーホテルで行われた。今回殿堂入りしたのは、高田専務理事をはじめ往年のオリンピック金メダリスト・世界選手権チャンピオン5人、レフェリー・協会役員などとしてレスリングの発展に貢献した関係者3人。受賞者には、メダルと記念の額が贈られた。

 また、吉田沙保里(中京女子大=女子55kg級)、伊調馨(中京女子大=63kg級)らアテネ五輪金メダルリストにも、FILAから記念のメダルとバッチが贈られ、栄誉が讃えられた。
(写真は、高田専務理事と吉田、伊調馨の金メダリスト)


 高田専務理事の話「殿堂入りにつきましては、関係各位の皆様には心より感謝いたします。また、大変名誉なことと心から喜んでおります。 改めてレスリング発展のために努力していかなければならないと身の引き締まる思いです。福田会長のもと、専務理事を務めさせていただいておりますが、会長の真似もできませんが、これからも全力でがんばっていかなければならないと責任を感じました。

 今回のオリンピックでは、初めて種目となった女子が4人全員メダルを獲得してくれましたが、これは大いに評価してもらいたいと思います。また、男子も28日時点で田南部選手の銅メダルをはじめ、池松選手、松本選手、笹本選手、井上選手(28日現在ベスト4確定、その後銅メダル獲得)と5人が入賞。現在の世界的状況からみれば、よく日本レスリングの伝統を守ってくれました。

 これまでの強化の方針について自信を深めるとともに、危機感も感じています。来年からルールが変更され、1ラウンド2分の3ラウンドになることによりレスリングが全く変わってくると予想されます。アテネオリンピックが終わった時点で、世界が横一線に並び「ヨーイ、ドン!」でスタートすることになるでしょう。そうした状況に対処するため、私としては今の富山監督には続投してもらい、シドニーオリンピックからここまで4年、そして北京オリンピックまでの4年を加え、8年かけて選手を育ててほしいと思います。

 今後、理事会等での話し合いが必要でしょうが、強化は8年周期ぐらいがベストではないでしょうか。男子と女子の交流を深め、日本全体が一丸となって強くなっていくために、総監督のもと男子フリースタイル、男子グレコローマンスタイル、女子のそれぞれ3スタイルにヘッドコーチを置く体制も考えいます。さらに、女子チームを北京オリンピックに向け強化するためには、男子の技術力のあるコーチ、それも若いコーチに一定期間指導させていくのもいいでしょう。

 あと1日、井上選手の準決勝から先が残っていますが、アテネオリンピック日本代表選手たちには、心から『ご苦労さま』と言いたいと思います」

(取材・撮影=宮崎俊哉)



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