【特集】悔しさのため、試合後は無言で控室へ…小幡邦彦




 フレッシュなファイトが期待された小幡邦彦(綜合警備保障)は、1回戦で今年のアジア選手権2位のスジート・マン(インド)に8−0で快勝(写真右)。自らは3位に終わっていただけに(対戦はなし)、とりあえず上位の選手を破って気持ちよさそう。「(アテネは)熱かったので、食事を取りながらでも減量ができ、軽い感じで試合ができた。オリンピックは心地いい緊張感で、いいムードですね」と舌も滑らかだった。

 グレコローマン・チームが、メダルにはつながらなかったものの、「誰もが勝ちにいっている」と、刺激されて試合に向かえたたそうで、3回戦で対戦する2年連続パンアメリカン王者のイワン・フンドロ(キューバ)戦に燃えていた。

 しかし、シドニー五輪王者のダニエル・イガリ(カナダ)を破ったこともあるフンドロの力は違った。つけいるすきを見い出せないまま0−8の完敗。無念の予選リーグ敗退となってしまった。

 試合後はコメントを待つ報道陣の前を「あとで」と言い残して去り、その後、出てくることはなかった。悔しくてたまらなかったようで、この敗戦を今後にどう生かすことができるか。

(取材・文=樋口郁夫)



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