田南部力が準決勝進出、池松和彦は5・6位決定戦へ…男子フリー第1日



 アテネ五輪レスリング競技は8月27日、フリースタイル4階級が続けられ、55kg級の田南部力(警視庁)は決勝トーナメント1回戦で今年のアジア選手権3位の金孝變(Kim Hyo Sub)をテクニカルフォールで下し、準決勝進出を決め、4位以内を確保した。準決勝で昨年世界5位のステファン・アッバス(米国)と対戦する。もう1組の準決勝は、マビエト・バチロフ(ロシア)VSアミラン・カルタノフ(ギリシャ)。

 66kg級の池松和彦(日体大助手)は、3回戦で2002年アジア大会優勝の白鎮国(韓国=Baek Jin Kuk)に4−3で判定勝ち。しかし決勝トーナメント1回戦で、レオニド・スピリドノフ(カザフスタン)に延長にもつれて逆転負け。5・6位決定戦へ回り、アポストロス・タスコウディス(ギリシャ)と対戦する。

 84kg級の横山秀和(秋田・秋田商高教)は、3回戦でナ・アンジュ・クマール(インド)を11-5で下した。勝ち点の関係で10位。

 各階級の成績は下記の通り(細線は既報)。


 【55kg級】田南部力(警視庁)   22選手出場

予選1回戦 ○[5−2] Namig Abudullaev(アゼルバイジャン)
予選2回戦 ○[4−3] Yogeshwar Dutt(インド)


予選3回戦  BYE

決勝トーナメント1回戦 ○[Tフォール、2:29=10-0] Kim Hyo Sub(韓国)

 
《経過》田南部が開始50秒にタックルを決めて1点を先取。続いて正面タックルから飛行機投げ気味にテークダウンを奪って3点を取り、一気に4−0とし、場外のためパーテールポジションで再開。ひざを折り曲げてのローリングで2点、5秒ルールで1点、さらに横崩しでニアフォールを奪い、5秒間押さえて10−0として快勝した。


 準決勝進出を決めた田南部力の話「直前の試合で池松が惜しい負け方をした。グレコでも後輩(笹本)が悔しい負け方をした。敵討ちという気持ちもあった。(準決勝で戦うアッバス)は、目標としていたサミー・ヘンソンを破って米国代表になった。破りたい。日本のメダル獲得の伝統に対する使命感はあるが、伝統は後からついてくるもの。金メダルを取ることしか考えていない。男子の金メダルを、みんなにさわってもらいたい」


 【66kg級】池松和彦(日体大助手)   21選手出場

予選1回戦  BYE
予選2回戦 ○[フォール、1:07=3-1] Fred Jesey(ナイジェリア)

予選3回戦 ○[4−3] Baek Jin Kuk(韓国)

 
《経過》池松がタックルで1点を先制し、ローリングで1分12秒までに3−0とした。第2ピリオドは白鎮国(Baek)が片足タックルで1点を返し、池松も1点を取って4−1。最後はやや防戦気味となり、ラスト40秒とラスト15秒に1点ずつを取られたが、あと1点を守り切った。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
決勝トーナメント1回戦 ●[2-3-6:25] Leonid Spiridonov(カザフスタン)

 
《経過》池松がくぐりタックルを決めて1点を先制。そのままのスコアで第1ピリオドを終了した。第2ピリオドはスピリドフ、池松の順でパッシブを取ったが、ともにグラウンド技は不発。池松は片足タックルで相手の場外逃避を誘い2−0。パーテールポジションからの攻撃で相手の右足を折りたたんでのまたさきで攻めたがポイントにはつながらない。延長へ入り、スピリドフの組み手で始まったクリンチで、池松は首投げを仕掛けたが、失敗して1失点。立ち上がろうとしたところを、スピリドフがすぐさまアンクルホールドを仕掛けて、池松の体が回ってしまった。2−0の有利を守れなかった痛恨の黒星だった。

 逆転負けで準決勝進出を逃した池松和彦の話「あと1点だったので、相手のミスを待つ消極的な考えがあった。悔しいけど、何に対して悔しいのか分からない。もろいですね。弱いですね。いつまでもこんなことををしていてはダメですね…」


 【84kg級】横山秀和(秋田・秋田商高教)   10位=22選手出場

予選1回戦  BYE
予選2回戦 ●[1−8] Majid Khodaei(イラン)

予選3回戦 ○[11−5] Na Anju Kumar(インド)

 
《経過》3点を先制された横山だが、首投げなどを決めて6−3と逆転。さらに第1ピリオド終了間際に1点を加えた。第2ピリオドもバックを取ってニアフォールを奪い、10−3として一気にいくかと思われたが、2点を返されてしまった。しかし焦ることなく試合を進め、11−5で勝った。




《前ページへ戻る》