吉田沙保里と伊調馨が金メダル獲得…アテネ五輪女子最終日




 アテネ五輪レスリング競技第2日は8月23日、アテネ市のアノリオシア・オリンピック・ホールで女子4階級の決勝が行われ、決勝へ進んだ3選手のうち、55kg級の吉田沙保里(中京女大)と63kg級の伊調馨(中京女大)が金メダルを獲得した。

 吉田はカナダのトンヤ・バービックにつけいるすきを与えず、6−0の判定勝ち。伊調馨は昨年の世界選手権決勝の相手でもあるサラ・マクマン(米国)に0−2とリードをゆるしながら、得意の後半での勝負強さを発揮し、ラスト21秒に貴重な決勝点を挙げて勝った。

 もう1人決勝へ進んだ48kg級の伊調千春(中京女大)は、世界V3のイリナ・メルニク(ウクライナ)とフルタイム戦った末、審判の競技判定で敗れ無念の銀メダル。3位決定戦へまわった72kg級の浜口京子(ジャパンビバレッジ)はスビタナ・サヤエンコ(ウクライナ)を4−0で下し、銅メダルを獲得した。

 各試合結果は下記の通り(細字は既報)。


 【48kg級】伊調千春(中京女大)   2位=14選手出場

予選1回戦 ○[Tフォール、4:12=12-0] Lyndsey Belisle(カナダ)
予選2回戦 ○[フォール、5:58=7-0] Brightte Wagner(ドイツ)
予選3回戦  BYE
準 決 勝 ○[Tフォール、4:10=12-1] Angelique Berthenet(フランス)

決   勝 ●[2-2=9:00] Irini Mereni(ウクライナ)

 《経過》メルニクが飛行機投げで1点を先取。伊調もタックルで1点を返し1−1。第2ピリオドはメルニクがパッシブを取るが、グラウンド攻撃は決まらない。伊調がラスト1分10秒に引き落として1点をリードし、3点ノルマで延長へ。メルニク有利のクリンチから、メルニクは巻き投げを決めて2−2へ。そのまま一進一退の攻防が続き、パッシブの数の差でメルニクの手が上がった。


 【55kg級】吉田沙保里(中京女大)  優勝=12選手出場

予選1回戦  BYE
予選2回戦 ○[Tフォール、3:47=11-0] Su Dong Mei(中国)
予選3回戦 ○[Tフォール、6:00=10-0] Diletta Giampiccolo(イタリア)
準 決 勝  ○[7−6] Anna Gomis(フランス)

決   勝 ○[6−0] Tonya Verbeek(カナダ)

 《経過》吉田が攻撃レスリングを見せた。片足タックルと両足タックルで第1ピリオドを2−0。目を3度も突かれるアクシデントにもめげずに第2ピリオドもローシングルと両足タックルを織り交ぜて攻撃し、ラスト30秒を切っても2点を取る積極的なレスリングで、6−0と快勝した。


 【63kg級】伊調馨(中京女大)   優勝=12選手出場

予選1回戦 ○[Tフォール、5:10=10-0] Lyudmyia Golovchenko(ウクライナ)
予選2回戦  BYE
予選3回戦 ○[6−2] Alena Kartashova(ロシア)
準 決 勝  ○[4−0] Lise Legrand(フランス)

決   勝 ○[3−2] Sara Macmann(米国)


 《経過》伊調は序盤に動きが今ひとつで、攻撃を受けた挙げ句に1点を2度取られる。しかし第2ピリオド、タックルを受けてからうまい身のこなしで2度バックを取り2−2へ。さらにラスト21秒、引き落として相手のバランスを崩し、貴重な1点をゲット。3−2として金メダルを手にした。


 【72kg級】浜口京子(ジャパンビバレッジ)   3位=12選手出場

予選1回戦 ○[8−4] Toccara Montgomery(米国)
予選2回戦 ○[Tフォール、5:17=10-0] Stanka Zlateva(ブルガリア)
予選3回戦  BYE
準 決 勝  ●[4−6] Wang Xu(中国)

3位決定戦 ○[4−0] Svitana Sayenko(ウクライナ)

 《経過》浜口が着実に1点ずつを取り、第1ピリオドを4−0とリード。第2ピリオドも強引な攻撃はせず、相手の攻撃をしっかり守って判定勝ちした。




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