日本協会がイラク復興を支援




 日本協会は、ワイルドカード(主催者推薦枠)でアテネ五輪出場を果たす予定のイラクのレスリング協会に対し、選手の練習を受け入れる方針を固めた。早ければ4月の合宿にもイラク選手が参加する。

 日本協会はアフガニスタン・レスリング協会をも支援しており、2002年夏には赤石光生強化委員(ジャパンビバレッジ)をコーチとして派遣。日本での合宿も受け入れる方向で、戦争や内戦でスポーツ振興が停滞していた国の復興に尽力する。

 イラクは元々レスリングの盛んな地域で、イランイラク戦争でブランクはあったものの、1988年ソウル五輪まではオリンピックやアジア選手権などの大会には頻繁に出場していた。しかし1991年の湾岸戦争で状況が変わり、1990年代はジュニアの世界選手権やアジア選手権への出場はあったが、シニアはほとんど出場していなかった。2002年にはイランで行われたb世界選手権に久しぶりに出場し、フセイン政権が崩壊したあとの2003年10月にグレコローマンの世界選手権に出場し、オリンピックを目指すことになった。ことしもグレコローマンの五輪第2次予選に出場している。

 アフガニスタンは、1994年まではオリンピックや世界選手権、アジア大会等に出場していた。政変によって国際大会出場がほとんどなくなったが、1999年のアジア・ジュニア選手権など時たま出場はしていた。2002年のタリバン政権の崩壊によって本格的な国際舞台復帰を目指すことになり、同年の釜山アジア大会に出場。ことし1月のフリースタイルの五輪第2次予選にも出場した。



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