浜口京子が10連覇を達成し、天皇杯を受賞…全日本選手権最終日





 2006年天皇杯全日本選手権最終日は12月23日、東京・代々木第二体育館で男女7階級が行われ、女子72kg級の浜口京子(ジャパンビバレッジ)が2試合に圧勝し、史上2人目の10年連続10度目の優勝を成し遂げるとともに、両スタイルの最優秀選手に贈られる天皇杯を初受賞した。過去は、森山泰年が1982〜95年に14連覇を達成している。

 アテネ五輪金メダリストの女子55kg級の吉田沙保里(ALSOK綜合警備保障)と同63kg級の伊調馨(中京女大)は、ともに4連覇。吉田は01年のこの大会から続けている国内外の連勝記録を「86」とし、柔道の谷亮子選手(旧姓田村)が記録した84連勝を上回って、女子格闘技選手のトップとなった。

 男子グレコローマンは、60kg級の笹本睦(ALSOK綜合警備保障)と84kg級の松本慎吾(一宮運輸)のアテネ五輪代表選手が順調に勝ち、それぞれ6連覇、7連覇を達成。男子フリースタイルは、55kg級で世界5位の松永共広(ALSOK綜合警備保障)が2年連続3度目の優勝、同60kg級の湯元健一(日体大)は初優勝。

 優秀選手は、男子フリースタイルが松永共広、同グレコローマンが松本慎吾、女子が伊調馨がそれぞれ受賞した。

 各階級の成績は下記の通り。(撮影=矢吹建夫)


《pdfファイル》
男子フリー
55kg級
男子フリー
60kg級
男子グレコ
60kg級
男子グレコ
84kg級
女 子
55kg級
女 子
63kg級
女 子
72kg級

 ◎男子フリースタイル

 
【55kg級】=出場20選手

 ▼1回戦
湯元進一(拓大)○[2−0(4-0,3-1)]●藤元愼平(早大)
嶋村英宣(東洋大)○[2−0(4-2,8-1)]●守田泰弘(福岡・三井高)
田岡秀規(自衛隊)○[2−0(3-0,4-0)]●冨岡直希(日体大)

 ▼2回戦
松永共広(ALSOK綜合警備保障)○[2−0(7-3,TF5-0=0:25)]●湯元進一(拓大)
小俣将太(茨城・霞ヶ浦高)○[2−0(1-0,1-0)]●永田豊治(天理大)
冨田和秀(大東大)○[2−0(1-0,TF9-3=1:50)]●高橋利典(アクトス上田)
齊藤将士(日大OB)○[2−1(3-0,0-2,2-0)]●清水聖志(クリナップ)
稲葉泰弘(専大)○[2−0(4-1,9-2)]●嶋村英宣(東洋大)
久安保史(日体大)○[2−0(TF6-0=1:27,BLast-3)]●小田裕之(青森・光星学院高)
鈴木元泰(秋田県体協)○[2−0(2-0,2-0)]●足立竜一(自衛隊)
田岡秀規(自衛隊)○[2−0(1-0,2-1)]●杉谷武志(自衛隊)

 ▼3回戦
松永共広(ALSOK綜合警備保障)○[2−0(1-0,TF6-0=0:58)]●小俣将太(茨城・霞ヶ浦高)
齊藤将士(日大OB)○[2−0(1-0,2-0)]●冨田和秀(大東大)
稲葉泰弘(専大)○[2−1(3-2,TF0-7=1:41,3-1)]●久安保史(日体大)
田岡秀規(自衛隊)○[2−0(1-0,4-0)]●鈴木元泰(秋田県体協)

 ▼準決勝
松永共広(ALSOK綜合警備保障)○[2−0(1-0,TF7-1=2:00)]●齊藤将士(日大OB)
稲葉泰弘(専大)○[2−0(ABig-2,2-0)]●田岡秀規(自衛隊)

 ▼決勝
松永共広(ALSOK綜合警備保障)○[2−0(4-0,TF6-0=1:23)]●稲葉泰弘(専大)

 ※松永は2年連続3度目の優勝。

 《試合経過》

 [1P]松永が回りこみ〜アンクルホールドの速攻で2−0。ラスト30秒にも足首をすくって1点を加え、終了間際にも回りこんで1点を加えた。

 [2P]松永が正面タックルを決めて3点を先制。稲葉のタックルを足で返すという機転をきかせ、3点を加えて6−0とした。

 【60kg級】=出場15選手

 ▼1回戦
沼尻健(国士大)○[2−0(TF6-0=1:58,5-2)]●矢野吉住(大分・日本文理大附高)
関川博紀(新潟・県央工高教)○[2−1(3-0,1-2.1-0)]●大塚隆史(日体大)
大館信也(国士舘ク)○[2−0(@Last-1,3-0)]●太田亮介(警視庁)
井上真一(警視庁)○[2−0(@Last-1,3-2)]●大沢茂樹(山梨学院大)
藤本健太(日大)○[2−1(0-2,1-0,1-0)]●藤永大吾(立命館大)
若山真毅(恵峰学園教)○[2−0(@Last-1,5-1)]●吉岡郁弥(福岡大)
高塚紀行(日大)○[フォール、2P1:49(3-0,F4-0=1:49)]●沓澤純一(自衛隊)

 ▼2回戦
湯元健一(日体大)○[2−0(5-1,4-1)]●沼尻健(国士大)
関川博紀(新潟・県央工高教)○[2−0(1-0,2-0)]●大館信也(国士舘ク)
井上真一(警視庁)○[2−0(3-0,5-0)]●藤本健太(日大)
高塚紀行(日大)○[2−0(1-0=2:03,4-0)]●若山真毅(恵峰学園教)

 ▼準決勝
湯元健一(日体大)○[2−0(3-0,5-1)]●関川博紀(新潟・県央工高教)
高塚紀行(日大)○[2−1(0-1,2-0,2-1)]●井上真一(警視庁)

 ▼決勝
湯元健一(日体大)○[2−0(1-0,3-0)]●高塚紀行(日大)

 ※湯元は初優勝。

 《試合経過》

 [1P]湯本が開始15秒、片足タックルでテークダウンを奪い1−0。そのまま高塚の反撃をしのいで、このピリオドを取った。

 [2P]湯本が片足タックルで1点を取り、すぐにローリング。開始30秒で3−0へ。後半の高塚の攻撃を冷静にかわしてバックを取り4−0として勝負を決めた。

 ◎男子グレコローマン

 
【60kg級】=出場15選手

 ▼1回戦
松本隆太郎(日体大)○[2−1(TF6-0=1:30,TF0-6=1:30,TF7-0=1:28)]●森山振一郎(自衛隊)
谷岡泰幸(自衛隊)○[2−0(TF7-0=1:18,TF7-0=1:30)]●及川賢太(国士大)
下村博(自衛隊)○[2−0(@Last-1,2-1)]●藤田康人(兵庫県協会)
城戸義貴(徳山大)○[2−0(2-1,3-1)]●岩谷和樹(自衛隊)
伊藤光(岡山・倉敷北中教)○[2−1(1-2,4-0,TF6-0=2:00)]●杉村明啓(日体大)
北岡秀王(日体大)○[2−0(5-0,4-1)]●川向寛(拓大)
岩崎健太(専大)○[2−1(1-2,@Last-1,3-0)]●宇田浩幸(自衛隊)

 ▼2回戦
笹本睦(ALSOK綜合警備保障)○[2−0(3-0、TF6-0=2:00)]●松本隆太郎(日体大)
下村博(自衛隊)○[2−1(2-2,TF0-7=1:30,2-1)]●谷岡泰幸(自衛隊)
城戸義貴(徳山大)○[2−0(3-2,ABig-2)]●伊藤光(岡山・倉敷北中教)
北岡秀王(日体大)○[2−1(1-4,4-3,@Caution-1)]●岩崎健太(専大)

 ▼準決勝
笹本睦(ALSOK綜合警備保障)○[2−0(@Last-1,@Last-1)]●下村博(自衛隊)
北岡秀王(日体大)○[2−0(4-0,4-1)]●城戸義貴(徳山大)

 ▼決勝
笹本睦(ALSOK綜合警備保障)○[2−0(5-0,TF8-0=1:21)]●北岡秀王(日体大)

 ※笹本は6年連続6度目の優勝

 《試合経過》

 [1P]スタンド戦は0−0。グラウンドの攻撃権を得た笹本はローリング2回転で4−0。防御をしっかり守り切り、このピリオドを取った。

 [2P]笹本が開始30秒、見事な巻きの一本背負いを決めて3点を先行。グラウンドの攻撃では、持ち上げてニアフォールで2点を加え、がぶり返しで3点を加えて快勝した。

 【84kg級】=出場15選手  

 ▼1回戦
齋川哲克(日体大)○[2−0(TF7-3=1:57,TF6-0=1:18)]●矢野将章(専大)
浅見哲郎(早大)○[警告、3P2:00(1-3,4-2,C1-1=2:00)]●村上彰一(中京学院大)
小林大佑(青山学院大)○[2−0(TF6-0=1:30,TF7-0=1:56)]●北村剛(チームKGW)
萬寛史(自衛隊)○[2−0(2-1,6-2)]●黒川渉(滋賀・栗東高)
石澤幸佑(日体大)○[2−0(TF6-0=1:13,TF6-0=2:00)]●沖村雄治(日本文理大)
後藤克幸(山梨学院大)○[フォール、1P1:15(F8-0=1:15)]●長友辰雄(日体大大学院)
小向忍(自衛隊)○[2−0(5-4,@Last-1)]●松永修司(日体大)

 ▼2回戦
松本慎吾(一宮運輸)○[2−0(3-0,3-0)]●齋川哲克(日体大)
浅見哲郎(早大)○[2−0(3-0,@Last-1)]●小林大佑(青山学院大)
萬寛史(自衛隊)○[2−0(4-1,TF6-0=1:30)]●石澤幸佑(日体大)
小向忍(自衛隊)○[警告、3P2:00(1-1,1-1,C1-0=2:00)]●後藤克幸(山梨学院大)

 ▼準決勝
松本慎吾(一宮運輸)○[2−0(TF7-2=1:49,TF7-1=1:26)]●浅見哲郎(早大)
萬寛史(自衛隊)○[警告、3P2:00(3-0,0-3,C1-1=2:00)]●小向忍(自衛隊)

 ▼決勝
松本慎吾(一宮運輸)○[2−0(TF8-0=1:09,TF6-0=1:17)]●萬寛史(自衛隊)

 ※松本は7年連続7度目の優勝。

 《試合経過》

 [1P]松本が相手を崩してテークダウンを奪い、腕を取ってニアフォールへ。一本背負いを仕掛けてニアフォールを奪って5−0とした松本は、グラウンドの攻撃で豪快な俵返しを決めた。

 [2P]萬の投げをかわしてバックを取った松本は、ローリングで2点を追加。グラウンドの攻撃になると、豪快な俵返しで投げ、試合を決めた。

 ◎女 子

 
【55kg級】=出場10選手

 ▼1回戦
今村有希(自衛隊)○[フォール、3P1:45(0-4,1-0,TF4-0=1:45)]●国枝美香(大阪・堺女子高)
渡部悠香(福島・田島高)○[フォール、2P1:24(1-0,F1:24=5-0)]●山内佳子(青森・青森商高)

 ▼2回戦
吉田沙保里(ALSOK綜合警備保障)○[フォール、1P0:24(F7-0=0:24)]●今村有希(自衛隊)
柴田瑞穂(中京女大)○[フォール、1P0:36(F4-0=0:36)]●伊藤純子(三重・四日市四郷高)
服部担子(中京女大大院)○[フォール、1P0:45(F4-0=0:45)]●西村優美(太田章ク)
松川知華子(日大)○[フォール、2P1:35(TF7-0=1:24,F9-2=1:359]●渡部悠香(福島・田島高)

 ▼準決勝
吉田沙保里(ALSOK綜合警備保障)○[フォール、2P0:32(5-0,F3-0=0:32)]●柴田瑞穂(中京女大)
松川知華子(日大)○[2−0(1-0,1-0)]●服部担子(中京女大大院)

 ▼決勝
吉田沙保里(ALSOK綜合警備保障)○[2−0(5-0,4-0)]●松川知華子(日大)

 ※吉田は4年連続4度目の優勝

 《試合経過》

 [1P]さぐり合いのあと、吉田は片足をすくって背中からマットに落とし、開始40秒で3点を先制。松川の片足タックルに対して、タックル返しをきれいに決めて5−0とした。

 [2P]開始30秒、吉田が正面タックルを決めて1点を先行。松川のタックルをかわした吉田は、横から攻めてニアフォールでポイントを加え、5−0として勝負を決めた。

 【63kg級】=出場7選手  

 ▼1回戦
塚本真紀(鳥取県協会)○[フォール、1P1:59(F7-0=1:59)]●工藤佳代子(栃木・壬生高)
石井千恵(中京女大)○[2−0(5-0,4-3)]●渡部沙織(福島・田島高)
松川絵里香(日大)○[フォール、3P1:17(0-5,2-0,F7-0=1:17)]●井上佳子(愛知・至学館高)

 ▼準決勝
伊調馨(中京女大)○[フォール、1P0:54(F7-0=0:54)]●塚本真紀(鳥取県協会)
松川絵里香(日大)○[フォール、1P0:50(F3-0=0:50)]●石井千恵(中京女大)

 ▼決勝
伊調馨(中京女大)○[フォール、1P1:24(F6-0=1:24)]●松川絵里香(日大)

 ※伊調は4年連続4度目の優勝。

 《試合経過》

 [1P]伊調が組み合って正面タックルで倒して3点を獲得。またさきでニアフォールへ追い込み、6−0としたが引き続きフォール狙い。最後は上四方固めへ持ち込み、フォールを決めた。

 【72kg級】=出場5選手

 ▼1回戦
榎本美希(三重・四日市四郷高)○[フォール、2P1:48(3-0,F5-2=1:48)]●増尾優華(大分・日本文理大附高)

 ▼準決勝
浜口京子(ジャパンビバレッジ)○[フォール、1P0:31(F3-0=0:31)]●榎本美希(三重・四日市四郷高)
村島文子(中京女大ク)○[2−0(2-0,1-0)]●田中希枝(中京女大)

 ▼決勝
浜口京子(ジャパンビバレッジ)○[2−0(1-0,4-0)]●村島文子(中京女大ク)

 ※浜口は10年連続10度目の優勝

 《試合経過》

 [1P]浜口が片足へタックルへ行き、回り込んで1点を先取。このあと攻めあぐんだが、反撃も許さず1−0でこのピリオドを取った。

 [2P]浜口がタックルからニアフォールへ追い込み、開始30秒で3−0へ。終盤にも回り込んで1点を取り、4−0として快勝した。



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