【特集】「黒人選手相手の闘いが課題」…男子フリー74kg級・小幡邦彦



 ▼決勝
小幡邦彦(ALSOK綜合警備保障)○[2−0(1-0=2:11,1-0=2:10)]●長島和幸(クリナップ)

 《試合経過》

 [1P]2分間は0−0で終了。コイントスで小幡が攻撃権を取り、場外へ出して1点を獲得した。

 [2P]このピリオドも0−0で終わり、コイントスで小幡が攻撃権。再開早々にしりもちをつかせ、小幡がこのピリオドも取って試合に勝った。

 男子フリースタイル74kg級はアテネ五輪代表の小幡邦彦(ALSOK綜合警備保障)が勝ち、1999年以来7年連続の“定位置”についた。「国内では負けられない。大学(山梨学院大)時代の監督(高田裕司・現日本協会専務理事)が8連覇を達成しているので、それに並びたいと思ったので、よけい負けられなかった」と言う。目標に一歩近づき、気持ちよく新年を迎えられそうだ。

 決勝の長島和幸(クリナップ)戦は、2ピリオドとも0−0で終わり、ともにコイントスで勝ってけりをつけた。「第1ピリオドを取って余裕ができた。カウンターがうまい選手なので、無理に攻撃せず、1−0でいいと思った」とのことで、もし第1ピリオドをクリンチ勝負で落としていたら、怒とうの攻撃が爆発したのかもしれない。

 2005年は冬や夏の国際大会(3月のダン・コロフ国際大会、8月のジオルコウスキ国際大会)でメダルを取るなど好調だった半面、世界選手権では初戦で米国の黒人選手ジョー・ウイリアムズに敗れ、上位進出がならなかった不本意な面もあった。「アテネ五輪ではキューバの選手に負けていた。欧州の選手にはかなり慣れたけど、黒人選手にはまだダメ。これからの課題になる」と言う。

 アテネ五輪で予選リーグ敗退だった悔しさは、今でも胸に残っている。「北京五輪でその悔しさを果たせるように頑張りたい。その気持ちでやっていけば、8連覇、9連覇とつながると思う」と、今後に向けて気合を入れた。

(撮影=矢吹建夫)




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