山本聖子が正田絢子(ともにジャパンビバレッジ)を下す…全日本選手権第2日





 2006年天皇杯全日本選手権第2日は12月22日、東京・代々木第二体育館で男女7階級が行われ、激戦の女子59kg級は世界V4の山本聖子(ジャパンビバレッジ)が今年の世界チャンピオンの正田絢子(ジャパンビバレッジ)を下し、4年ぶり3度目の優勝を遂げた。同51kg級は世界チャンピオンの坂本日登美(自衛隊)が実力を発揮して2年連続4度目の優勝。

 男子フリースタイル74kg級はアテネ五輪代表の小幡邦彦(ALSOK綜合警備保障)が勝って7年連続7度目の優勝を達成。同66kg級は学生二冠王の佐藤吏(早大)が大接戦の末に藤本浩平(拓大)に逆転勝ちして初優勝した。早大としては、OBの天谷満博が2000年に勝って以来だが、学生に限れば、1980年の太田章以来25年ぶりの全日本チャンピオンとなった。

 男子グレコローマンは55kg級でアテネ五輪代表の豊田雅俊(警視庁)が昨年王者の平井進悟(ALSOK綜合警備保障)を下して2年ぶり3度目の優勝。同66kg級は世界選手権代表の飯室雅規(自衛隊)が6年連続6度目の優勝を達成し、同74kg級は世界選手権代表の岩崎裕樹(銀水荘)が初優勝した。

 各階級の結果は下記の通り(撮影=矢吹建夫)。


《pdfファイル》
男子フリー
66kg級
男子フリー
74kg級
男子グレコ
55kg級
男子グレコ
66kg級
男子グレコ
74kg級
女子
51kg級
女子
59kg級

 ◎男子フリースタイル

 【66kg級】=出場17選手

 ▼1回戦
宮原崇(明大)○[2−0(3-0,1-0)]●宮田勇樹(徳山大)

 ▼2回戦
池松和彦(K-POWERS)○[2−0(4-0,1-0)]●宮原崇(明大)
小島豪臣(日体大)○[2−1(2-1,1-0.1-0)]●金渕清文(青森・光星学院高校教)
森川一樹(茨城・霞ヶ浦高)○[2−1(0-1,3-0,1-0=2:05)]●松本大輝(徳山大)
佐藤吏(早大)○[2−0(1-0,1-0)]●林田重吾(専大)
山本英典(自衛隊)○[2−1(0-2,1-0,1-0)]●井上真彰(山梨学院大)
米満達弘(拓大)○[2−0(3-0,1-0)]●黒田清志(自衛隊)
坂本将典(日大)○[2−1(3-1,0-2,ALast-2)]●小原康司(自衛隊)
藤本浩平(拓大)○[2−1(0-2,2-0,1-0)]●青山久志(東洋大)

 ▼準決勝
小島豪臣(日体大)○[2−1(0-1,4-2,5-0)]●池松和彦(K-POWERS)
佐藤吏(早大)○[2−1(2-3,2-0,TF7-0=1:58)]●森川一樹(茨城・霞ヶ浦高)
米満達弘(拓大)○[2−1(3-0,1-2,6-1)]●山本英典(自衛隊)
藤本浩平(拓大)○[2−0(3-0=2:06,3-1)]●坂本将典(日大)

 ▼準決勝
佐藤吏(早大)○[フォール、2P1:58(1-0,F6-2=1:58)]●小島豪臣(日体大)
藤本浩平(拓大)○[2−0(1-0,1-0=2:13)]●米満達弘(拓大)

 ▼決勝
佐藤吏(早大)○[フォール、3P1:57(0-1=2:07,4-1、F4-1=1:57]●藤本浩平(拓大)

 ※佐藤は初優勝。

 《試合経過》

 [1P]両者決め手に欠き、2分間で0−0。コイントスで勝った藤本がテークダウンを奪い、このピリオドを取った。

 [2P]佐藤が片足タックルで1点を獲得したが、藤本はラスト37秒、回り込んで1点。このままラストポイントで逃げ切るかと思われたが、ラスト1秒の佐藤のがぶり返しが決まり、佐藤が取った。

 [3P]佐藤が片足タックルを仕掛けたが、もつれ、佐藤の足が先に場外へ出てしまった。残り43秒。佐藤は必死に片足タックルを仕掛け、1点を返した後、ニアフォールへ。そのままフォールで勝った。

 【74kg級】=出場13選手

 ▼1回戦
高橋龍太(自衛隊)○[2−0(5-1,1-0)]●秋本直樹(日大)
萱森浩輝(新潟・県央工高教)○[2−0(1-0=2:30,3-0)]●中野大樹(山梨学院大)
桜井浩二(拓大)○[2−0(1-0,1-0)]●藤村勇喜(徳山大)
相内寿(専大)○[2−1(0-4,1-0,1-0)]●清水泰隆(拓大)
大月葵斐(早大)○[2−0(TF6-0=1:34,TF6-0=1:14)]●工藤豪己(日大)

 ▼2回戦
小幡邦彦(ALSOK綜合警備保障)○[2−0(1-0=2:03,2-1)]●高橋龍太(自衛隊)
萱森浩輝(新潟・県央工高教)○[2−1(3-0,2-ABig,2-0)]●桜井浩二(拓大)
加藤陽輔(日体大)○[2−0(@Last-1,1-0)]●相内寿(専大)
長島和幸(クリナップ)○[2−0(@Last-1,2-1)]●大月葵斐(早大)

 ▼準決勝
小幡邦彦(ALSOK綜合警備保障)○[2−0(1-0,2-0)]●萱森浩輝(新潟・県央工高教)
長島和幸(クリナップ)○[2−0(2-1,1-0)]●加藤陽輔(日体大)

 ▼決勝
小幡邦彦(ALSOK綜合警備保障)○[2−0(1-0=2:11,1-0=2:10)]●長島和幸(クリナップ)

 ※小幡は7年連続7度目の優勝。

 《試合経過》

 [1P]2分間は0−0で終了。コイントスで小幡が攻撃権を取り、場外へ出して1点を獲得した。

 [2P]このピリオドも0−0で終わり、コイントスで小幡が攻撃権。再開早々にしりもちをつかせ、小幡がこのピリオドも取って試合に勝った。

 ◎男子グレコローマン

 
【55kg級】=出場16選手

 ▼1回戦
豊田雅俊(警視庁)○[2−0(5-0、TF6-0=0:25)]●北岡利之(滋賀・日野高)
禎卓也(自衛隊)○[2−0(3-2,@Last-1)]●西森啓太(拓大)
長谷川恒平(青山学院大)○[2−0(ALast-2,5-0)]●倉本一真(拓大)
村田知也(滋賀・日野高教)○[警告、2P2:00(3-0、C7-1=2:00)]●大津卓睦(スターツ)
和田宗法(日体クラブ)○[2−0(2-0,3-0)]●山下誠司(群馬大)
村上文清(自衛隊)○[フォール、2P1:12(3-0、TF6-0=1:12)]●鈴木一美(ALSOK綜合警備保障)
上田吉輝(徳山大)○[2−0(4-1,5-4)]●岩倉翼(徳山大)
平井進悟(ALSOK綜合警備保障)○[2−0(4-1,3-1)]●石田宗久(自衛隊)

 ▼2回戦
豊田雅俊(警視庁)○[2−0(TF6-0=1:10,4-0)]●禎卓也(自衛隊)
村田知也(滋賀・日野高教)○[2−1(3-0,0-3,2-0)]●長谷川恒平(青山学院大)
村上文清(自衛隊)○[2−1(@Last-1,0-2,2-0)]●和田宗法(日体クラブ)
平井進悟(ALSOK綜合警備保障)○[2−0(4-3,8-5)]●上田吉輝(徳山大)

 ▼準決勝
豊田雅俊(警視庁)○[2−0(2-0,3-0)]●村田知也(滋賀・日野高教)
平井進悟(ALSOK綜合警備保障)○[2−1(5-3,TF2-5=1:36,2-1)]●村上文清(自衛隊)

 ▼決勝
豊田雅俊(警視庁)○[2−1(6-1,0-4,2-1)]●平井進悟(ALSOK綜合警備保障)

 ※豊田は2年ぶり3度目の優勝。

 《試合経過》

 [1P]豊田が開始早々に相手を崩してバックを取り、ローリングで1点を追加。グラウンドの攻撃権を手にし、俵返しで3点を加えたが、もつれて場外に出てしまい5−1。グラウンドの防御を守り、そのままのスコアで終了。

 [2P]スタンド戦は0−0。グラウンドの攻撃権を得た平井は、いったんは豊田に立たれたが、すぐに首投げを決めて3点を獲得。防御になってしっかり守り、ピリオドスコアを1−1にした。

 [3P]スタンド戦は0−0。グラウンドの攻撃権を得た豊田の俵返しは、持ち上がらなかったもののマットをゴロリと転がり2点を獲得。攻守交替して平井が豊田を場外へ押し出して1点を取ったが、反撃もそこまでだった。

 【66kg級】=出場16選手  

 ▼1回戦
飯室雅規(自衛隊)○[2−0(3-0,4-0)]●小林威仁(早大)
藤山慎平(日体大)○[2−0(TF6-0=2:00、C4-4=2:00)]●漆原祐一(神奈川大)
板倉史也(青山学院大)○[2−0(5-0=1:12,2-1)]●浮田幸博(自衛隊)
藤村義(自衛隊)○[警告、3P2:00(1-@Last.3-1,C3-0=2:00)]●保坂和哉(自衛隊)
江藤紀友(拓大)○[2−1(4-1,2-0,4-0)]●清水博之(自衛隊)
成瀬一彦(日体大)○[2−1(2-ALast,3-0,5-0)]●生松麗(日本文理大)
村瀬洸介(拓大)○[2−1(0-3,6-5、TF7-0=1:20)]●井上智裕(兵庫・育英高)
綾田慎也(自衛隊)○[2−0(5-0,3-1)]●吉岡宏高(日体大)

 ▼2回戦
飯室雅規(自衛隊)○[2−0(TF6-0=1:30,3-1)]●藤山慎平(日体大)
藤村義(自衛隊)○[2−0(6-1,TF6-0=1:30)]●板倉史也(青山学院大)
江藤紀友(拓大)○[警告、3P1:30(1-@Last,3-0,1-0)]●成瀬一彦(日体大)
綾田慎也(自衛隊)○[2−0(3-0,3-0)]●村瀬洸介(拓大)

 ▼準決勝
飯室雅規(自衛隊)○[2−0(TF6-0=1:48,2-0)]●藤村義(自衛隊)
江藤紀友(拓大)○[2−0(C2-2,2Big-2)]●綾田慎也(自衛隊)

 ▼決勝
飯室雅規(自衛隊)○[2−0(3-0,TF7-0=1:55)]●江藤紀友(拓大)

 ※飯室は6年連続6度目の優勝

 《試合経過》

 [1P]スタンド戦は0−0。グラウンドの攻撃権を得た江藤は30秒で得点を挙げられず、飯室が1−0。攻撃に移った飯室は、横崩しで2点を取り、3−0とした。

 [2P]スタンド戦は0−0。先に防御をしいられた飯室はしっかり守り、攻撃に回るとローリングを3回転。勝負を決めた。

 【74kg級】=出場15選手

 ▼1回戦
加納篤(恵峰学園教)○[フォール、2P0:43(3-0、F0-4=0:43)]●根津隆夫(早大)
倉谷修平(日体大)○[フォール、1P1:24(F3-0=1:24)]●伏見貴弘(日本文理大)
川向敦支(自衛隊)○[警告、2P2:00(6-1,C1-1=2:00)]●森康記(山梨学院大)
鶴巻宰(国士大)○[2−0(5-0,TF6-0=1:08)]●小田貴久(専大)
小川明彦(自衛隊)○[2−0(5-2,3-2)]●吉田毅(日体大)
岡本鉄平(拓大)○[2−0(ALast-2,3-0)]●田中悠一(日体大)
菅太一(警視庁)○[2−0(TF6-0=2:00,7-4)]●伊藤啓太(拓大)

 ▼2回戦
岩崎裕樹(銀水荘)○[フォール、2P0:42(3-0,F5-0=0:42)]●加納篤(恵峰学園教)
川向敦支(自衛隊)○[2−0(2-1,3-0)]●倉谷修平(日体大)
鶴巻宰(国士大)○[2−0(4-0,4-0)]●小川明彦(自衛隊)
菅太一(警視庁)○[2−0(2-0,TF8-1=1:48)]●岡本鉄平(拓大)
 
 ▼準決勝
岩崎裕樹(銀水荘)○[2−1(4-0,3-5,4-1)]●川向敦支(自衛隊)
菅太一(警視庁)○[2−0(2-0,4-2)]●鶴巻宰(国士大)

 ▼決勝
岩崎裕樹(銀水荘)○[警告、3P1:30(1-4,4-0,C1-0=1:30)]●菅太一(警視庁)

 ※岩崎は初優勝。

 《試合経過》

 [1P]スタンド戦は0−0。菅は攻撃権をものにできなかったが、防御に回ると素早く立ち上がり、向き合って押し倒して3点を獲得。このピリオドを取った。

 [2P]スタンド戦は0−0。攻撃権を得た岩崎は俵返しを決めて3点を獲得。菅の攻撃を岩崎は必死に耐え、ピリオドスコアを1−1とした。

 [3P]スタンド戦は0−0。グラウンドの攻防は菅が先行となり、ローリングを仕掛けたがこらえられた。これが3度目の警告となり、最後の30秒を闘うことなく、岩崎の手が上がった。

 ◎女 子

 
【51kg級】=出場12選手  

 ▼1回戦
平岡深雪(大東大)○[2−0(2-0,1-0)]●鈴木綾乃(東京・安部学院高)
鈴木幸子(栃木・壬生高)○[フォール、1P0:28(F3-0=0:28)]●大山礼佳(愛知・至学館高)
栄友菜(中京女大)○[フォール、1P1:41(F5-0=1:41)]●森八千代(大東大)
本橋裕子(中京女大)○[2−0(5-0,3-0)]●山田広子(代々木ク)

 ▼2回戦
坂本日登美(自衛隊)○[2−0(5-0,4-0)]●平岡深雪(大東大)
鈴木七恵(早大)○[2−0(1-0,2-1)]●鈴木幸子(栃木・壬生高)
赤坂幸子(福岡大)○[2−0(1-0,3-0)]●栄友菜(中京女大)
甲斐友梨(中京女大)○[2−0(5-0,5-0)]●本橋裕子(中京女大)

 ▼準決勝
坂本日登美(自衛隊)○[フォール、2P1:08(TF7-0=1:15,F4-0=1:08)]●鈴木七恵(早大)
赤坂幸子(福岡大)○[2−0(1-0,1-0)]●甲斐友梨(中京女大)

 ▼決勝
坂本日登美(自衛隊)○[2−0(4-2,3-0)]●赤坂幸子(福岡大)

 ※坂本は2年連続4度目の優勝。

 《試合経過》

 [1P]坂本が開始早々に果敢にタックルへ行ったが、赤坂が見事なタックル返しを決めて2点を先行。追う立場となった坂本は中盤バックを取り、ローリングで加点するなど、4点を取って逆転した。

 [2P]相手のタックルを回りこんだ坂本が1点を先制し、中盤と終盤にも1点ずつ挙げ、3−0で勝った。

 【59kg級】=出場13選手  

 ▼1回戦
山名慧(中京女大)○[2−1(0-3,2-0,3-0)]●渡邉小百合(自衛隊)
梶田瑞華(愛知・至学館高)○[フォール、2P0:29(3-1,F3-0=0:29)]●車屋綾香(岩手・宮古商高)
西牧未央(愛知・至学館高)○[2−0(2-0,1-0)]●中田絵理子(早大)
大島貴子(福岡大)○[フォール、2P1:44(TF6-0=1:16,F8-2=1:44)]●津田香耶(東京・安部学院高)
菅綾子(自衛隊)○[フォール、2P1:28(TF7-0=1:38,F5-0=1:28)]●島田佳代子(日大)

 ▼2回戦
正田絢子(ジャパンビバレッジ)○[フォール、1P1:54(F3-0=1:54)]●山名慧(中京女大)
西牧未央(愛知・至学館高)○[2−0(@Last-1,2-0)]●梶田瑞華(愛知・至学館高)
山本聖子(ジャパンビバレッジ)○[フォール、1P0:14(F3-0)]●大島貴子(福岡大)
岩間怜那(ALSOK綜合警備保障)○[フォール、1P1:59(F6-0=1:59)]●菅綾子(自衛隊)

 ▼準決勝
正田絢子(ジャパンビバレッジ)○[2−1(1-0,0-3,@Last-1)]●西牧未央(愛知・至学館高)
山本聖子(ジャパンビバレッジ)○[2−0(3-0=2:04,4-0)]●岩間怜那(ALSOK綜合警備保障)

 ▼決勝
山本聖子(ジャパンビバレッジ)○[2−0(3-0,@Last-1)]●正田絢子(ジャパンビバレッジ)

 ※山本は4年ぶり3度目の優勝。

 《試合経過》

 [1P]1点をめぐる攻防は、山本がラスト30秒、タックルから飛行機投げ気味に返して3点を獲得。そのままのスコアでこのピリオドを取った。

 [2P]前半、山本が自滅気味に崩れ、正田が1点を先制。終盤、ポイントを取りに行った正田だが、ひざを取られてバックを許して1点を失い、1−1のラストポイントで山本の手が上がった。



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