【特集】公私ともに最高の年末…男子グレコ96kg級・加藤賢三




 ▼決勝
加藤賢三(自衛隊)○[2−0(3-0,@Last-1)]●森角裕介(蓼科高教)

 《試合経過》

 [1P]スタンド戦は0−0。攻撃権を得た加藤は横崩しを決め、ニアフォールの体勢へ。ルールでそのまま試合が続き(30秒で攻守交替せず)、加藤が3−0でこのピリオドを取った。

 [2P]スタンド戦は0−0。グラウンドの攻防もお互いに決め手がなく1−1。最後に守って1点を取った加藤がこのピリオドを取り、試合を決めた。

 “男子グレコローマン96kg級は、昨年のこの大会で不覚を喫した加藤賢三(自衛隊)が、その相手の森角裕介(長野・蓼科高教)を下し、日本一を奪還した。

 6月の明治乳業杯全日本選抜選手権では、プレーオフを含めて森角に2連勝。しっかりとリベンジを果たして世界選手権代表の座を奪取しているので、精神的な優位があると思われた。また準決勝では学生二冠王の山口竜志(拓大)と対戦。山口は国体で森角を下したほど成長を遂げている選手ので、この試合が実質的な決勝戦とも考えられたが、「いえ、(森角は)これまでに勝ったり、負けたりしている相手。気を抜けませんでした」と言う。

 そんなライバルに勝っての優勝に喜びもひとしお。2005年は結婚して最近子供も生まれ、「公私ともにいい年にして終われます」と二重の喜びに包まれた年末となった。

 一方で、世界選手権では新ルール下での世界との壁を感じた年でもある。「グラウンドの防御を強くしたい。1からやり直して、来年は世界で飛躍したい」とも言う。喜びも浸れるのもわずかの期間。年明けからは再び厳しい練習に身を投じ、世界へ挑む。

(撮影=矢吹建夫)




《前ページへ戻る》