【特集】「情けない。3連覇と言っても、世界では勝てない」…男子フリー96kg級・小平清貴




 ▼決勝
小平清貴(警視庁)○[2−0(1-0=2:30,1-0)]●米山祥嗣(日体大)

 《試合経過》

 [1P]0−0で終了。コイントスで勝った米山だが、腕を切られて守られ、小平がこのピリオドを取った。

 [2P]0−0のまま試合が進んだが、終了間際、小平が右への片足タックルを決めて押し出し、貴重な1点を取って試合を決めた。

 学生二冠王の米山祥嗣(日体大)相手に、接戦の末に地力を発揮して3年連続4度目の優勝を遂げた男子フリースタイル96kg級の小平清貴(警視庁)は「情けない試合になってしまった。3連覇なんて言っても…」と、不本意な優勝だったと振り返る。第1ピリオドは0−0でコイントスに負けてしまい(クリンチを守り切ってこのピリオドは取る)、第2ピリオドもラスト数秒でやっと1点を取ったという内容。「これでは世界で勝てない。自分からポイントを取るという練習してきたのに」と悔やんだ。

 米山は学生二冠王で、ユニバーシアードの代表になるなど実力をつけている。しかし、快勝できなかった理由にはならないし、しようとも思わない。「国内でポイントを取れずに、世界でポイントを取れるはずがない。世界で勝つことを目標にしています」と言う。

 今年の世界選手権では、アテネ五輪王者のカジムラド・ガチャロフ(ロシア)に完敗。世界との実力差をまざまざと見せつけられた。2005年最後の大会で圧勝して、来年の飛躍へつなげたいという気持ちがあった。初戦と準決勝は圧勝できただけに、決勝でのもたつきが悔しそうだ。

 「世界で勝つには、とにかくパワーですね。あと柔軟性のある選手が多いから、その面も強化して、来年は世界で勝ちたい」と、気持ちを新たにしていた。

(撮影=矢吹建夫)




《前ページへ戻る》