元女子世界チャンピオン、成国晶子さんがプロレス参戦

 

 1990・91年の世界女子選手権65kg級で優勝し、現在はAACCゴールドキッズで少年少女選手にレスリングを指導している成国(旧姓飯島)晶子さんが11月13日、東京・新宿FACEで行なわれた吉田万里子興行のプロレスイベント「息吹」に参戦した。

 リング上で京樽時代の恩師の栄和人・中京女大監督(日本協会女子ヘッドコーチ)から届けられた花束を受け取り、感慨深そうな成国さんは、デビューしたばかりの優菜相手に、特別ルールの15分3本勝負で試合。「(相手を)壊すなよ〜」という声援が飛ぶ中、タックル、がぶり返し、飛行機投げ、一本背負い、股さきなどのレスリングの技を次々と披露。時に足固めでギブアップを狙ったり、キックやパンチを受けて戸惑ったりもしたが、3度フォールを奪って実力の違いを見せつけた。

 元世界チャンピオンのプロレス参戦とあって、ふだんは女子プロレスを扱わないスポーツ新聞も多く訪れた。試合後、約20人の記者に囲まれた成国さんは「鍛えていれば、この歳(38歳)でもやれるところを見せたかった。この歳になっても、衰えない闘争心を教え子たちに伝えられたと思う」と楽しそう。環境的にプロ専念はできないとしながら、「盛んになってきた女子格闘技の中で、女子レスリングがトップだということをアピールしていきたい」と話し、今後もオファーがあれば女子プロレス、あるいは「スマックガール」などの格闘技イベントにも出ていきたい気持ちを話した。

 セミファイナルでは、成国さんの教え子の渡辺菜穂(ゴールドキッズ)も出場。東京五輪金メダリストの“アニマル渡辺”こと渡辺長武さんがリング上で花束を贈呈し、マイクを持って「私と同じ姓。頑張ってほしい」と激励した。試合は椎名由香に敗れた。



《前ページへ戻る》