永田克彦(新日プロ職)がプロ転向、大みそか「Dynamite!!」へ参戦





 2000年シドニー五輪の男子グレコローマン69kg級で銀メダルを取った永田克彦選手(32歳=新日本プロレス職、日体大職)がプロ転向を決意。10月30日、都内のホテルで会見が行なわれ、大みそかに大阪ドームで行なわれるK-1のイベント「Dynamite!!」へ参戦することが発表された。対戦相手は未定。

 永田選手はシドニー五輪のあとも、階級区分の変更によって74kg級へ上げて選手活動を続け、昨年のアテネ五輪にも出場した。「プロレスやプロ格闘技は好きで、将来は闘うことも考えていた」と言うが、同五輪で2戦2敗と不本意な成績に終わったため、プロ入りの踏ん切りがつかずにレスリング活動を続けていた。

 しかし昨年の全日本選手権3位に続き、ことし6月の明治乳業杯全日本選手権でも優勝を逃した。永田の得意な戦法は、パッシブを相手に与えてパーテールポジションで攻撃するスタイル。ルール変更によってパッシブがなくなり、リフト技の攻防が取り入れられたため、この中で勝ち抜くのは至難の業。新たな世界への挑戦を考えていたところ、7月にK-1が提携する総合格闘技のイベント「HERO'S」を観戦しプロで闘うことを決意したという。「強い選手とやりたい。闘う以上は、頂点を目指す」ときっぱり。現段階ではアマの試合に出場する意思はないという。

 8月初めからボクシングの練習に取り組み、同下旬からは関節技の練習も。試合までの残る2か月間は、「パンチの間合いをしっかり研究したい」と、未知の分野への挑戦に万全を期している。

 これまでに日本の数多くのレスリング選手がプロ格闘技のリングで闘っているが、全日本王者からの参戦は、三宅靖志(東海大〜東海商船OB=ただし米国での試合のみ)、中尾芳広(東洋大〜自衛隊OB)、宮田和幸(日大〜クリナップOB)に続いて4人目。五輪代表選手からは三宅、宮田に続いて3人目だが、五輪のメダリストとしての参戦は、日本レスリング界初。プロレスへ進んだ選手もいない。

 なお、「Dynamite!!」には、ミドル級最強決定トーナメント決勝として、山本“KID”徳郁(山梨学院大OB)VS須藤元気(拓大OB)の試合が決定しているほか、ホイス・グレイシー(ブラジル)、ボブ・サップ(米国)、曙らが出場する予定。


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