女子世界選手権代表チームが直前合宿


    


 世界選手権(9月26日〜10月2日、ハンガリー・ブダペスト)を控え、女子の代表チームが9月20日、東京・国立スポーツ科学センターで最後の調整合宿をスタートさせ、報道陣に練習を公開した。

 日本協会の富山英明強化委員長も訪れ、55kg級の吉田沙保里(ALSOK綜合警備保障)をつかまえてスパーリングを開始。「以前に比べてタックルの圧力がすごい。重みが出てきた。吉田を破れる選手はいないよ」と絶賛。アテネ五輪に続いての優勝に太鼓判を押した。

 48kg級の坂本真喜子(和光ク)が5日前の練習で左ひざを痛め、大事をとってスパーリングをやらずに別メニューをこなしたが、あと数日のうちにスパーリングを再開できる予定。栄和人監督は「(大会前の休養になって)ちょうどいいくらいだよ」と気にするふうでもなし。

 同監督は、アテネ五輪柔道の金メダリスト14人のうち、先日の世界選手権で優勝した選手は階級を変えた日本の鈴木桂治ただ1人だった事実を聞かされて気を引き締めながらも、かねて口にしていた「金5個、全階級でメダル」というもくろみを、「金6個、全階級でメダル」と上方修正。絶対の自信を見せた。


 48kg級:坂本真喜子(和光ク)「2年前の世界選手権は、どんな大会かも分からずに行った。すごい大会だということが分かったけれど、今回は姉が一緒だから心強い。自分が先に勝ち上がり、姉につなげたい」

 
51kg級:坂本日登美(自衛隊)「4年前の世界選手権の時は、日本一=世界一という気持ちだった。世界のレベルが上がり、今回は簡単には勝たせてもらえないと思い、すごく緊張することもある。でも両親が初めての海外旅行で応援に来てくれるので心強い。優勝できても、妹と2人での優勝でなければ満足できないと思う。2人で優勝したい」

 
55kg級:吉田沙保里(ALSOK綜合警備保障)「けがもなく順調にきている。周りが打倒・吉田でくるし、連勝記録を守らなければならず、厳しい大会になると思う。気がゆるんだら、何があるか分からない。第1ピリオドを取られないことを心がけたい」

 
59kg級:正田絢子(ジャパンビバレッジ)「追い込んで、けがなくここまで来れたことは大きな自信です。けがで悩まされていたので、特にそう思います。この合宿で最後の確認をやり、金メダルを目指したい。パワーでは外国選手に負けません」

 
63kg級:伊調馨(中京女大)「伸び伸び練習してきたのですが、コーチからサラ・マクマン(米国=アテネ五輪決勝で対戦)が出てくると聞かされ、気が引き締まりました。サラは兄弟をなくし、彼を交通事故でなくし、そのどん底からはい上がってきた。辛さを乗り越えて必死だと言われ、やっと不安な気持ちが出てきました。自分のいつもの動きで試合をやりたい」

 
67kg級:坂本襟(ワァークスジャパン)「練習は十分にできました。やるしかありません。今はその気持ちだけです。やってきたことを出せれば、結果は後からついてくると思います」

 
72kg級:浜口京子(ジャパンビバレッジ)「邪念がなく、闘う女としてでき上がっています。すべてをレスリングに捧げられるという気持ち。がむしゃらに、気合が入りまくった暴れ馬のようなレスリングをしたい。対戦相手の研究はしているけれど、マットに上がって、目の前の相手に勝つことだけを考えています」




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