【特集】初の世界選手権代表にも「これで満足してはいけない」…女子67kg級・坂本襟





 6月23日に行なわれた女子67kg級の世界選手権代表決定プレーオフは、では坂本襟(中京女大ク)が斎藤紀江(ジャパンビバレッジ)との接戦に勝利し、初の世界選手権代表権を得た
(写真左)

 坂本は全身全霊をささげて臨んだプレーオフからわずか2日後の25日から、休むヒマもなく新潟・十日町市の山中、桜花レスリング道場での全日本チームの合宿に臨だ。「プレーオフで勝ったことで安心してはいられない。他のみんなに必死でついていこうという感じ。休んではいられない」と気持ちを引き締めている。

 5月には女子ワールドカップ(フランス・クレルモンフェラン)、アジア選手権(中国・武漢)の国際試合2番勝負に出た。しかし坂本個人にとっては、決して満足のいく結果とは言いがたい。国別対抗団体戦の女子ワールドカップでは、7階級中、自分だけが敗れたこともあった。だが、身体的にもハードだった2大会をこなすことで、外国人選手と多く試合ができた。課題が見つかり、さらに自分の目標を高く設定することができた好機だった。

 世界選手権の代表に決まった今、自分も世界トップと勝負できる力を付けるため練習を積んでいる。報道陣への公開練習があった27日は、1階級上の浜口京子(ジャパンビバレッジ)とスパーリングをした。全日本合宿では、中京女勢に加えて関東からもトップ選手が集まってくる。「中京女大にも世界のトップはいるけど、今回の合宿では重量級で世界の上にいる浜口さんがいる。少しでも近づけるように、ハマちゃん(浜口)のパワーに近づけるよう頑張りたい。いいものを吸収して、少しでも世界で上位にいけたら」とテレながら話した。

 今年は納得がいくまでレスリングをするために生活環境(会社)を変えた。世界で勝つためだ。「ここは通過点。世界選手権に行って、上位を目指して勝つことが目標。満足していてはいけない」。この“満足してはいけない”という言葉を自分に言い聞かせるように何度も繰り返していた。


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