【特集】「新ルール対策の成果が出た」…フリー74kg級・小幡邦彦



 フリースタイル74kg級はアテネ五輪代表の小幡邦彦(ALSOK綜合警備保障)が順当勝ち。決勝は長島和幸(クリナップ)に1−0、2−1という競ったスコアだったが、「クリンチになる前にポイント差をつけなければ、と思った。その試合だできたから、よかったんじゃないかなと思います」と振り返った。

 綜合警備の大橋正教監督は「1ピリオドの2分のルール下では、1−0であっても快勝といえる場合もある」と話しており、きん差のスコアだからダメということはないと主張する。その理論でいえば、勝つべきところはしっかりと勝った快勝と言える優勝だっただろう。

 グラウンドの攻撃が得意だった小幡にとって、「パッシブ→パーテールポジション」という攻撃パターンが使えなくなったルール改正は痛手だった。しかし、スタンドでポイントを取る練習を積み重ねたそうで、「その成果が出た大会だったと思います」と振り返る。新ルールになってから約半年。対策もしっかりとできているようだ。

 3月のダンコロフ国際大会では、欧州王者と大接戦し地元びいき判定とも思える試合で敗れたが、5月にアジア選手権ではメダルに手が届かなかった。「メダルを取ると取らないとでは大違い」としながら、「メダルに手が届かないとも思っていない。世界選手権でもメダルを目標にして頑張りたい」と、4度目の世界選手権へ向けて闘志を燃やしていた。

(取材・文=樋口郁夫、撮影=矢吹建夫)




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