【特集】「今年の目標は世界チャンピオン」…フリー66kg級・池松和彦




 アテネ五輪代表で全日本選手権王者のフリースタイル66kg級、池松和彦(K−POWERS)が、地力を発揮して優勝。03年世界選手権の銅メダリストは、今年の世界選手権での金メダル獲得を宣言した。

 決勝は、学生王者の佐藤吏(早大)を下して勝ち上がった19歳の新鋭、藤本浩平(拓大)との対戦となった。第1ピリオド、キャリアで勝る池松は、相手の動きをうまくいなしてバックに回り、1ポイントを先制。続けて鋭いタックルから再び背後を奪って加点した。

 余裕を持って第2ピリオドに入ると、今度はタックルからグラウンドの攻防に持ち込み、脚と首をきめて藤本を完全にコントロール。計4ポイントを挙げて試合を決めた。

 03年世界選手権で3位に入り、大きな期待を背負って翌年のアテネ五輪乗り込んだ。しかし、結果は予選ラウンドの最後にミスをおかし、あと一歩のところで決勝トーナメント進出を逃すという悔しい結果に終わった。

 取りこぼすことなく世界選手権代表となった池松は「今年の目標は世界チャンピオンになることなので、スタートラインに立ててほっとしている」とまずは安堵の表情。五輪での悔しさを練習の励みにしてきたというだけに、「オリンピックの失敗を取り戻すとしたら、次のオリンピックだと思う」と早くも北京を見据えていた。

(取材・文=渋谷淳、撮影=矢吹建夫)


《前ページへ戻る》