【特集】「パワーとスタミナをつけて世界のメダルを」…フリー55kg級・松永共広



 フリースタイル55kg級は全日本選手権覇者の松永共広(ALSOK綜合警備保障)が、勢いの差を見せ付けて初優勝。世界選手権出場を決めた。

 松永は昨年12月の全日本選手権を制した後、今年2月のヤシャドク国際大会(トルコ)、3月のダン・コロフ国際大会(ブルガリア)で連続優勝。5月のアジア選手権でも銅メダルに輝き、絶好調で今大会に乗り込んだ。

 準決勝で、成長著しい稲葉泰弘(専大)を退けると、決勝は全日本3位でディフェンディングチャンピオン、杉谷武志(自衛隊)と対戦。前半、なかなか決定打を放てない重苦しい展開となったが、ピリオド終了間際に片足タックルから相手を場外に押し出して1ポイント。第2ピリオドは相手の片足を取ってから粘りに粘ってグラウンドに持ち込み、このピリオドも1−0で奪って勝利した。

 アテネ五輪銅メダリストの田南部力(警視庁)に代わってこの階級のエースとなった24歳は「ルールが変わって時間が短くなり、ポイントが取り切れなかった部分があった。世界の選手と比べたら、まだまだ体力面が足りない」と課題を挙げながら、「世界選手権までにパワーとスタミナをつけてメダルを取りたい」と目標を掲げた。

(取材・文=渋谷淳、撮影=矢吹建夫)


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