【特集】「自分の力を世界で試して見たい」…グレコ120kg級・沢田直樹



 混戦のグレコローマン120kg級を制したのは全日本3位でユ二バーシアード代表の沢田直樹(徳山大ク)。プレーオフでは、本戦に続いて新庄寛和(国士舘ク)を下し、世界選手権初出場を獲得した。

 沢田は準決勝で新庄と対戦した。まずはローリングで1ポイント、相手のグラウンド攻撃権を防いで1ポイントを重ね、第1ピリオドを先取。第2ピリオドはこう着状態が続く中、新庄の最後の攻撃をしのいで、1−1ながらラストポイントで競り勝った。もう一つの準決勝は、鈴木克彰(警視庁)と社藤哲也(日体大)が対戦。双方ともに決定的な技を繰り出せない状態ながら、社藤が優勝候補の一角、鈴木を突き放し、決勝は沢田−社藤とおう多くの人が予想していなかった顔合わせとなった。

 その一戦は、両選手ともにグラウンドの攻撃権を生かせないという重苦しい展開となったが、沢田は幸運にも第1、第2ピリオドともにラストポイントを奪って優勝した。

 世界選手権出場をかけたプレーオフは沢田が主導権を握った。まずは新庄の攻撃を防いで1ポイント挙げると、続くチャンスで相手の体を回して2ポイント。3−0で第1ピリオドを取った。第2ピリオドはラストポイントを奪った新庄。第3ピリオドもラストポイントによる幕切れとなったが、グラウンドで積極的に仕掛けていた沢田の手に世界へのキップが渡った。

 トップレベルの国際大会へ初めて出場する沢田は「自分の体力がどこまで通用するのか試してみたい。ウエートトレでパワーアップして大会に乗り込みたい」と声を弾ませていた。

(写真は決勝とプレーオフ、ともに青が沢田)

(取材・文=渋谷淳、撮影=矢吹建夫)


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