【特集】史上初の親子優勝。来年の目標は“親子での二連覇”




 沼尻直会長没後の最初の全国大会で、茨城県からは女子2選手のみならず、男子38kg級の森下史崇(茨城・野々井2年)が優勝し、供養した。父は1978年の43kg級と79年の51kg級で二連覇を達成した敏清さん(茨城・新館中教)。霞ヶ浦高で高校三冠王に輝き(1982年=56kg級)、日体大で大学二冠王に輝いた(1986年=フリー57kg級)強豪だ。

 連盟や茨城県関係者によると、親子二代にわたっての優勝は、「他県でそういう選手がいるかどうかまでは把握できませんが、おそらく初めてでしょう」とのこと。

 大会委員として大会の運営にも参加していた敏清さんは「(初の親子二代での優勝になることは)本人に伝えてあった。まさか達成してくれるとは…。うれしいです」と満足そう。自身が優勝した時は、関東圏からの参加がほとんどで、選手数が今ほどではなかった。「選手数が増え、この高いレベルの中で優勝できたというのはすごいことです。頑張ってくれたなあ、という気持ちです」と息子の快挙を、自分の優勝以上の価値と評価。2年生なので「来年も同じ快挙を達成してほしい」と、一段上での快挙になる“親子での二連覇”実現へ挑む。

 史崇は「小学校6年の時に負けてしまい、中学では絶対に優勝したかった。決勝は第1ピリオドを落としたけど、2、3ピリオド頑張ってよかった」と振り返った。目標とする選手は、当然「父」−。父が達成できなかった全日本王者やオリンピック出場を最終目標に、まず来年の快挙を狙う。

(取材・文=樋口郁夫、撮影=矢吹建夫)


《前ページへ戻る》