飯室雅規(自衛隊)、松本慎吾(一宮運輸)が銀メダル…アジア選手権第1日




 アジア選手権は5月24日、中国・武漢で開幕。男子グレコローマン4階級が行なわれ、66kg級の飯室雅規(自衛隊)と84kg級の松本慎吾(一宮運輸)が決勝へ進出したものの、ともに判定負けして銀メダルに終わった。

 2002年アジア大会金メダルの松本は、1回戦でアテネ五輪でも戦ったJanabek Kenjeev(キルギスタン)を破るなどして決勝へ進んだ。決勝ではKim Jung Sub(韓国)とアジア大会決勝の再戦となり、第1ピリオドに俵返しを決められるなどし、1−2で敗れた。飯室は3試合を勝って決勝へ進んだものの、Jung Tae Kyun(韓国)に第1、2ピリオドをともにテクニカルフォールで落とした。

 55kg級の平井進吾(ALSOK綜合警備保障)は、予備戦と1回戦を勝ったあと、準決勝で2003年世界3位のIm Dae Won(韓国)に0−2で敗れた。しかし3位決定戦でLiu Deli(中国)を2−0で下し、銅メダルを獲得した。

 各選手の成績は下記の通り。


 【55kg級】平井進吾(ALSOK綜合警備保障)  3位=11選手出場

1回戦 ○[2−1(4-3,0-4,@Last-1)]ZHURSIBAEV(カザフスタン)

 《試合経過》
 【1P】平井の首投げは勢いがつきすぎて相手に返された。ジャッジは平井の3点を挙げたが、レフェリーとチェアマンは相手の1点のみという不可解な判定。(0−1)。平井が下となったパーテールポジションはもつれてともに2点が入った(2−3)。平井は上からの攻撃でローリングを決め、4−3としてこのピリオドを取った。

 【2P】0−0のあと、コイントスで平井の攻撃。しかし無得点(0−1)。下になって守った平井だが、ラスト数秒でリフトを決められてしまった(0−4)、

 【3P】0−0のあと、コイントスで平井の攻撃。しかし無得点(0−1)。下になって守った平井は30秒を耐え抜き、1−1としてラストポイントでこのピリオドを勝利。

2回戦 ○[2−0(3-1,@Last-1)]AKBAR KUZIEV(ウズベキスタン)

 《試合経過》
 【1P】平井が57秒に首投げ。相手にもポイントは入ったが3−0。審判団が1分経過に気づかずに試合が進み、1分30秒ころに平井がパーテールポジションで攻撃。ポイントは取れず、相手に警告が入って3−2。ここで時計は「2:00」を示し、審判団はピリオド終了を宣言。ウズベキスタン陣営の「オレたちのパーテールだろ」という当然の抗議があったが、審判団が押し切った。

 【2P】0−0のあと、コイントスで平井の攻撃。下になって守った平井は30秒を耐え抜き、1−1としてラストポイントでこのピリオドを勝利。

準決勝 ●[0−2((0-4,TF0-6=1:19)]IM DAE WON(韓国)

 《試合経過》
 【1P】0−0のあと、コイントスで韓国の攻撃。平井は立ち上がって切ろうとしたが、背中からマットに落とされて0−3。攻撃側となった平井だが、30秒間でポイントを挙げられず、このピリオドを落とした(0−4)。

 【2P】0−0のあと、コイントスで勧告の攻撃。第1ピリオドと同じような感じになって平井が2失点。その後もグラウンドで攻められ、0−6のテクニカルフォール負け。

3位決定戦 ○[2−0(6-1=0:41,3-2)]BU REN(布仁=中国)

 《試合経過》
 【1P】平井の首投げが決まり、バックに回られたものの3−1とリード。さらに一本背負いで3点を取り、これもバックに回れらたが、3点技を2回取ったことでテクニカルフォール。

 【2P】平井が場外へ押し出して1点を先制。パーテールポジションでは攻撃となり、ローリングで2点を取って3−0とした。防御となった平井は、ローリングで2点を失い、さらにバック投げを受けてしまったが、時間切れの方が早く3−2で勝った。


 【66kg級】飯室雅規(自衛隊)  2位=12選手出場

予備戦 ○[2−0(TF5-0,3-0)] SUNIL RANR(インド)

 《試合経過》
【1P】0−0のあと、コイントスで飯室の攻撃。5点となる豪快な俵返しを決めテクニカルフォール勝ち。

【2P】0−0のあと、コイントスで飯室の攻撃。俵返しは3点。そのままのスコアで守り切った。

1回戦 ○[警告3P1:30(1-2,5-0,1-0)] KIM KUM CHOL(北朝鮮)

 《試合経過》
 【1P】0−0のあと、コイントスで飯室の攻撃。俵返しは最後の投げが甘くなり、ビデオチェックの結果、相手に2点が入った(2−0)。飯室はそのあと、下になって相手の攻撃をしのぎ、警告で1点を取ったが、このピリオドを落とした。

 【2P】0−0のあと、コイントスで飯室の攻撃。3点となる俵返しをさく裂させ、その後ももつれたが1点が入って4−0。下になって守った飯室は、相手の攻撃をしのぎ、警告で1点を取った(5−0)。

 【3P】0−0のあと、コイントスで北朝鮮の攻撃。飯室は30秒守り切り、警告で1−0。北朝鮮は通算3度目の警告となり、この段階で飯室の警告勝ちとなった。

準決勝 ○[警告2P2:00(1-@Caution,6-0=2:00)] TAVAKOLI MEHDI(イラン)

 《試合経過》
 【1P】0−0のあと、コイントスでイランの攻撃。飯室は30秒守って警告で1点を獲得。飯室の攻撃となったが、ポイントを挙げることはできずに警告で1点を取られ、ラストポイントによってイランがこのピリオドを取った。

 【2P】0−0のあと、コイントスで飯室の攻撃。俵返しをイランは脚を使って防ぎ、警告によって飯室が2−0。上下が入れ替わり、飯室は30秒守り切って警告で1点。イランは脚を使って防御したことを含めて通算3度目の警告となり、勝負が決まった。

決勝 ●[0−2(TF0-5=1:13,TF0-7=0:36)] JUNG TAE KYUN(韓国)

 《試合経過》
 【1P】0−0のあと、コイントスで韓国の攻撃。豪快な5点俵返しを決められてしまった。

 【2P】0−0のあと、コイントスで飯室の攻撃。うまく乗られて2点を失い、その後、がぶり返しで3点を取られるなどして0−7とされた。


 【84kg級】松本慎吾(一宮運輸)   2位=9選手出場

1回戦 ○[2−1(0-4,3-0,3-0)] JANABEK KENJEEV(キルギスタン)

 《試合経過》
 【1P】0−0のあと、コイントスで松本の攻撃。しかしクラッチを切られてしまい、30秒で無得点(0−1)。下なった松本は、終了間際に俵返しを受けてしまい3点を失った(0−4)。

 【2P】0−0のあと、コイントスでキルギスタンの攻撃。松本はすきを見て立ち上がり、30秒間攻撃をしのいだ(1−0)。攻撃にまわった松本は、がぶり返しで2点を取り、このピリオドを取った(3−0)。

 【3P】0−0のあと、コイントスでキルギスタンの攻撃。松本は30秒間耐え抜いて1−0。攻撃にまわった松本は、俵返しを決め、やや低かったので2点と判定されたが、3−0として試合を決めた。

準決勝 ○[2−1(1-2,2Caution-2,4-0)] MAGID RAMZANI SAROUKOLA(イラン)

 《試合経過》
 【1P】0−0のあと、コイントスで松本の攻撃。俵返しは脚をかけられて失敗。審判団はイランのポイントを上げた(0−2)。松本は下になって30秒耐えたが、1点を取るにとどまった(1−2)。

 【2P】0−0のあと、コイントスで松本の攻撃。俵返しはまたも脚をかけられて不発だったが、今度は審判団が脚を認め松本に2点(2−0)。上下が変わって下になった松本が耐えたが、ローリングを受けてしまって2−2へ。内容(警告あり)で松本がこのピリオドを取った。

 【3P】松本が背後へ回って場外に押し出して1−0。パーテールポジションの攻撃では、たたれてしまったが、場外際で押し倒して2点を獲得(3−0)。最後は30秒を守り切り、警告で1点を取った(4−0)。

決勝 ●[1−2(TF0-8=1:21,2-1,2-5)] KIM JUNG SUB(韓国)

 《試合経過》
 【1P】0−0のあと、コイントスで韓国の攻撃。松本は3点の俵返しを決められ、さらに5点の俵返しを決められてしまった。

 【2P】0−0のあと、コイントスで松本の攻撃。30秒間、ポイントを挙げられず、警告を受けて相手に1点。防御にまわった松本は、立ち上がろうとしてもつれた末にニアフォールを奪って2点を取り、2−1と逆転した。

 【3P】0−0のあと、コイントスで韓国の攻撃。リフトは松本もこらえて2−2としたが、体勢を崩され、微妙な判定ながら3失点。ビデオチェックの結果、松本の2点が取り消されて0−5。攻撃にまわった松本がリフトを狙うが、相手は故意に足首をつかみ警告を受けて松本が2−5としたが、これ以上攻める時間がなかった。


 【120kg級】新庄寛和(国士大ク)   10選手出場

1回戦 ●[0−2(0-6,0-7)] LIU DELI(中国)

 《試合経過》
 【1P】59秒に新庄がバックを取られて1失点。パーテールポジションの守りとなった新庄は、4度ローリングで転がされて4点を失った(0−5)。攻撃となってもも得点できずに警告で1点を失った(0−6)。

 【2P】バックを取られた新庄は、ローリングで3度回され、0−7とされてしまった。

敗者復活戦 ●[0−2(0-6=1:10,0-6=2:00)] BARZI SAJAD(イラン)

 《試合経過》
 【1P】新庄は引き落とされてバックを取られ、ローリングで0−2とされた。パーテールポジションの守りとなり、5点のリフト技を決められてテクニカルフォール。

 【2P】場外へ押し出されて1点を失った新庄は、引き落とされて0−2とされた。パーテールポジションの守りで3点のリフト技を決められ(0−5)、攻撃では30秒間で無得点。警告となって相手に1点が入った(0−6)。




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