【特集】福田イズム2005全開! 雪上練習…全日本女子合宿




 全日本女子チームの今年度第2次強化合宿が4月30日から新潟・十日町の桜花レスリング道場で始まった。参加選手は5月20〜21日にフランス・クレルモンフェランで開催されるワールドカップの代表選手、5月28〜29日に中国・武漢で行われるアジア選手権代表選手、そして練習パートナーの総勢32人。

 公開練習日となった5月1日は、福田富昭・日本協会会長をはじめ富山英明・日本協会強化委員長、栄和人・女子ヘッドコーチ、木名瀬重夫・日本協会専任コーチ、金浜良コーチ、藤川健治コーチ、浜口京子選手が所属するジャパンビバレッジの鈴木光監督、吉田沙保里が所属するALSOK綜合警備保障の大橋正教監督、村本健二・日本協会組織普及委員長など大勢のコーチの厳しい指導のもと、約2時間にわたるスパーリングが敢行された。

 練習終了時間を超えた5時30分過ぎ、福田会長の指令を受けた栄ヘッドコーチから突然号令がかかった。「1分以内にシューズと靴下を脱いで、整列!」。あっ気にとられながらも、急いで裸足になってコーチ陣の前に並んだ選手たちに、福田会長
が告げた。「これから、耐える練習をする。裸足のまま外に出ろ!」

 ゴールデンウィーク真っ盛り。東京などでは半袖姿も見かけられるようになったが、この冬4mを超す記録的豪雪に見舞われた十日町には、5月としては19年ぶりという積雪が残り、道場の外は一面銀世界。さらに、冷たい雨も降ってきた。

 「俺についてこい」。自らも裸足に、そう叫んだ福田会長の後を追いかけ、選手、コーチ全員が雪の上を猛然とダッシュ。続いて、二人一組となっての手押し車。福田イズム2005年第1弾、雪上トレーニングだ。

 最初はキャーキャー騒いでいた選手たちも、冷たさを超えた痛さに悲鳴、絶叫。それでもゴールにたどり着くと、そのまま桜花道場名物の温泉露天風呂に飛び込んだ。

 練習終了後、福田会長は選手たちに次のように話した。「思い切り走ったら、雪の上でも体がポカポカしてきただろう。いいか、これが挑戦するということだ。初めからできないと思っていたら、何もできない。とにかくやってみないとダメだ。一生懸命研究した技が試合でかかったら、ものすごくうれしいだろう。だがそれも、こわがらずに勇気を持ってかけにいったから極まったんだ。みんなも今日の練習のことは一生覚えているだろう。それと同時に、自分から“行くぞ”という気持ちを忘れるな」

 このあと、2日は地元の人たちとのバーベキューパーティー、3日は選手・コーチ全員和服姿になって十日町のきもの祭りに参加。6日まで合宿を続け、ワールドカップとアジア選手権に挑む。

(取材・文=宮崎俊哉)




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