【特集】この大会へ向けての気持ちを忘れず日本代表奪取へ…67kg級・坂本襟


(撮影:矢吹建夫)


 昨年12月の全日本選手権で斉藤紀江を追い込みながら、“大逆転負け”と形容されるような悔しい負け方をした67kg級の坂本襟が、今回は最後に追いついて勝負を決めるという“大逆転勝ち”。世界選手権への道をプレーオフにつなぎ、ワールドカップ日本代表権を手にした。

 「絶対に負けられない、という気持ちでした」。その胸には全日本選手権での悔しい思いが去来していたという。ある関係者が「全日本選手権のあと、大泣きしていたんだよ」と明かしてくれたが、その悔しさが、今回の勝利のエネルギーだった。セコンドについていたのは、五輪チャンピオンを育てた吉田栄勝さん(吉田沙保里の父)。「試合前からいろんなアドバイスをもらった。第1ピリオドを取られた時、『まだ大丈夫だ』と励ましてくれ、とても勇気づけられました」と感謝。中京女大が一丸となっての01〜03年の世界選手権日本代表への勝利だった。

 「まだ、あと1回(プレーオフ)あります」と、勝利の喜びもつかの間で世界選手権出場を目指す坂本は、「この大会へ向けてやってきた気持ちを、もう1度思い出してがんばりたい」と、チャレンジャーの気持ちを強調。斉藤は柔道出身選手らしく投げ技が武器なので、「投げられないようなしっかり決められるタックルに磨きをかけたい」と課題の一端を明らかにし、3か月後の再戦へ向けて気を引き締めた。




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