松永共広(ALSOK綜合警備保障)が2大会連続の優勝…ダン・コロフ国際大会




 欧州遠征中の男子フリースタイルの全日本チームは3月5日、ブルガリアのソフィアで「ダン・コロフ国際大会」に出場。55kg級の松永共広(ALSOK綜合警備保障)が4試合を勝ち抜いて優勝した。松永は遠征の最初の大会となった「ヤシャ・ドク国際大会」(2月18〜20日、トルコ・サムスン)に続いての優勝。

 55kg級の稲葉泰弘(専大)と120kg級の田中章仁(専大)は、ともに3位決定戦へまわり、敗れて5位に終わった。ほかの3選手はいずれも1、2回戦で敗れ、敗者復活戦にまわれなかった。

 各階級の成績は下記の通り。6日は残り3階級が行われ、日本は5選手が出場する。


 【55kg級】松永共広(ALSOK綜合警備保障)   優勝=13選手出場

1回戦  ○[フォール、2P0:54] Berguia Anoha(フランス)

 
 《経過》松永が3点となるタックルを含めて積極的に攻めて第1ピリオドを先取。第2ピリオドはタックルから通称“地獄固め”で攻め、そのままフォールした。
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2回戦  ○[2−0(2-0,2-0)] Amzah(フランス)

  
《経過》松永が2度のタックルで第1ピリオドを2−0と先取。続く第2ピリオドも相手につけいるすきを与えず、2度のタックルで2−0として勝った。
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準決勝 ○[2−0(TF6-0=1:55,3-3)] Yosefi Magid(イラン)

  
《経過》3点となる豪快なタックルを決めた松永は、すぐにニアフォールへ追い込み5−0へ。第1ピリオドの終了間際にタックルで1点を加えてテクニカルフォール。第2ピリオドはタックルに行ったが勢いがよすぎて返され、2−3へ。しかし終盤、足を引っ掛けるタックルを決め、3−3ながらラストポイントによって勝った。
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決  勝 ○[2−1(1-0,0-1,2-0)] Besik Gochashivili(グルジア)

  《経過》第1ピリオドの終盤、松永がしつこくタックルで攻めて1点を獲得し、このピリオドを先取。第2ピリオドは一瞬のすきをつかれてタックルを受けてしまい、0−1で取られた。決勝の第3ピリオドは、中盤に2度、正面からの威力十分のタックルを決め、2−0として振り切った。


 【55kg級】稲葉泰弘(専大)   5位=13選手出場

1  回 戦   BYE
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2  回 戦  ○[2−1(3-5,1-1、TF5-0=1:54)] Tekin Soyer(トルコ)

  
《経過》腕を取られてのタックルで2点を取られた稲葉は、すぐに体をあすけて2−2へ。しかし再び体勢を入れ替えられるなどめまぐるしく上下が変わり、3−5となって第1ピリオドを落とした。第2ピリオドは0−1のあと、相手を場外に出して1−1としラストポイントによる勝利。第3ピリオドは正面タックルで3点を取り、その後も攻めてテクニカルフォール。
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準 決 勝  ●[0−2(0-1,0-1)] Besik Gochashivili(グルジア)

  
《経過》稲葉は第1、2ピリオドともタックルで1点を取られ、それをばん回することができなかった。
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3位決定戦 ●[0−2(0-1=2:15,0-1)] Ramazan Demir(トルコ)

  
《経過》0−0で終わった第1ピリオド、コイントスで負けた稲葉は必死にしのいだが及ばすに1失点。第2ピリオドは腕を取られながら場外に出されて痛恨の1失点を喫し、そのままのスコアで試合終了。


 【66kg級】金渕清文(国士大助手)   15選手出場

1回戦 ●[1−2(0-1=2:28,2-0,1-1)] Mihail Ganev(ブルガリア)

  
《経過》第1ピリオドは0−0でクリンチとなり、コイントスで負けた金渕がバックに回られながらも耐えたが、ラスト2秒でひざをついてしまい痛恨の1失点。第2ピリオドは相手のバランスを崩してテークダウンを奪って2−0の勝利。第3ピリオドは腕を取っての小内刈りで1点を取ったが、ラスト20秒で片足タックルを決められ、ラストポイントによって惜敗した。


 【84kg級】磯川孝生(拓大)   14選手出場

1回戦 ○[2−0(4-3,4-0)] 松本真也(日本)

  
《経過》松本が首投げで3点を先制したが、磯川は体を入れ替え1点。すぐにローリングを決めて3−3へ。さらにラスト11秒にタックルを決め、逆転で第1ピリオドを先取。第2ピリオドは磯川ががぶりから崩して1点を取り、松本の腕を決めての横崩しで2+1点を加えて快勝した。
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2回戦 ●[0−2(0-1,1-1)] Eslami Abazar(イラン)

  
《経過》磯川は第1ピリオドのラスト20秒にタックルを決められて先制された。第2ピリオドはタックルで1点を先制したものの、ラスト20秒にタックルを決められてしまい、ラストポイントによってこのピリオドも落としてしまった。


 【84kg級】松本真也(日大)   14選手出場

1回戦 ●[0−2(3-2,0-4)] 磯川孝生(日本)

 ⇒磯川の項、参照。


 【120kg級】田中章仁(専大)   5位=12選手出場

1  回 戦   BYE
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2  回 戦  ○[2−1(3-1,0-1,6-1)] Fatih Cakirogu(トルコ)

  
《経過》場外へ出されて1点を失った田中は、終盤に一本背負いを決めて3点を取り、第1ピリオドを取った。第2ピリオドも相手の圧力に負けて場外へ出てしまい、0−1のまま終了。第3ピリオドは相手がタックルにきたところを、かわして逆に自らがタックルを決めて1点。すぐにローリングで2点を加え、もつれながらも自らにいい体勢を維持して6−1とした。
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準 決 勝  ●[フォール、2P?] Biser Deianov(ブルガリア)

  
《経過》田中は第1ピリオド、タックルを決められて落とした。第2ピリオドに反撃を試みたが、そり投げ気味になげられ、そのままフォールされた。
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3位決定戦 ●[0−2(TF0-6=1:47,TF0-6=1:29)] David Musulbes(ロシア)

  
《経過》シドニー五輪の王者とは格が違った。ムスルベスの余裕十分の攻撃に田中は反撃できず、辛うじて最後に片足を取って持ち上げたが、すぐに体を入れ替えられて1点を失うなど、実力の差があった。



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