全日本女子チームが合宿開始、栄和人体制が始動



 天皇杯全日本選手権1・2位を中心とした全日本女子チームは2月16日、東京・北区の国立スポーツ科学センターで今年最初の全日本合宿を開始した。

 初日は栄和人女子ヘッドコーチ(中京女大職)ら女子コーチのほか、富山英明強化委員長(日大教)と土方政和同副委員長も参加。各選手に熱心に技術指導をした。これまで富山強化委員長が女子の合宿にオブザーバー的な立場で参加したことはあるが、こうした技術指導で参加したのは初めて。協会をあげて女子の強化に取り組む姿勢を示した。

 栄和人ヘッドコーチは、今回の合宿の最大の目的を「新ルールを知ってもらい、慣れること」に挙げた。1月28〜30日のヤリギン国際大会に参加した金浜良コーチ(ジャパンビバレッジ)や藤川健治コーチ(自衛隊)らから、実際に国際大会の審判を見たうえでの注意点を詳しく説明してもらうなど、新ルールのマスターに必死に取り組んだ。


 48kg級・坂本真喜子の話「ヤリギン国際大会へ行って新ルールの面で勉強になりました。ちょっと太ったので、クイーンズカップまでには絞りたいです。エントリーしてくる選手はみんながライバル。頑張りたいです」

 
51kg級・坂本日登美の話「ヤリギン国際大会で新ルールを経験でき、世界選手権へ向けていい経験になったと思います。でも、他国のレベルが上がっていて、このままなら世界選手権で優勝はできないと思いました。気を引き締めていかなければなりません。復帰する前は、もっと圧勝していました」

 
51kg級・伊調千春の話「全日本選手権は(けがをして)無理をしてはならないと思い棄権しました。目標は北京五輪ですから。焦りはありません。これまでずっと世界選手権に馨(妹)と出てきたので、今年も出たい。北京五輪までは51kg級でやります。(全日本チャンピオンの坂本日登美とは)中京女大に移ってからは互角に戦えています。不安はありません」

 
55kg級・吉田沙保里の話「きのうで試験が終わりました。きょうから気持ちも新たに練習に打ち込めるという感じです。新ルールはやや不安です。場外際のことが気になります。マットの中央でやることを心がけます。クリンチになるケースもあるので、しっかりと研究したいです」

 
55or59kg級・山本聖子の話「10月にひざの手術をして全日本選手権は棄権しました。順調に回復しました。ブランクは、不安というより、いい状態にもっていけたと前向きに考えます。クイーンズカップは55kg級か59kg級か、まだ決めていません。軽く動けるようなら55kg級に出たいです」

 
63kg級・伊調馨の話「年明けもちょこちょこ取材がありましたが、合宿が始まってやっとレスリング中心の生活に戻れたという感じです。新ルールがまだ世界に定着していないみたいなので、不安はあります。スタンド中心になることは間違いなので、自分に有利かな、とは思います。クイーンズカップは正田絢子選手だけをマークしたいです」

 
72kg級・浜口京子の話「富山強化委員長から組み手の指導を受けました。いろいろ勉強になりました。この合宿で何度も繰り返してマスターしたいです。新ルールはしっかりと頭の中に入れておかないと駄目だと思います。場外際を注意したい。ルールを利用して自分のペースにもっていければ、と思います。クイーンズカップまで集中してやっていきたい」




《前ページへ戻る》