【特集】世界2、3位相手に貴重な経験…男子フリースタイル74kg級・小幡邦彦【2006年12月14日】







 AOSOK綜合警備保障の選手が次々と金メダルを取った今大会(入社内定の伊調馨を含む)。その最後に登場した男子フリースタイル74kg級の小幡邦彦は、2回戦で世界2位のアリ・バズリ・アスガー(イラン)に敗れて金メダルの望みが消滅。その後、敗者復活戦で勝ち、3位決定戦まで進んで意地を見せたが、世界3位のソスラン・ティギエフ(ウズベキスタン)にいいところなく敗れ(右写真)、メダル獲得を逃した。

 3位決定戦で完敗したあと、「相手の方が一枚上手でした。技も力もすべてにおいて、もう一段階レベルアップしないとなりません」と相手の強さに脱帽。攻撃しなければ勝てないのは分かっていたが、構えがしっかりしており、崩すことができずに突破口らしい突破口もつくれなかったという。

 2回戦の世界2位のアスガー戦は、第1ピリオドの1分50秒まで0−0で進み、「コイントスで勝てば…」と思わせた部分はあったが、やはりポイントにつながりそうな攻撃はなかった。1回戦のトルクメニスタン選手、敗者復活戦のモンゴル選手という無名選手には快勝しているだけに、小幡の実力が劣っているわけではない。ただ、世界のメダリストとの間に大きな壁があることは確かなようだ。

 今年は3月のダン・コロフ国際大会(ブルガリア)で2位、8月のベログラゾフ国際大会(ロシア)で3位にそれぞれ入賞するなど、そこその成績を残してきた。パーテールポジションからの攻撃に定評があった“旧ルール型”から、ようやくスタンド中心の“新ルール型”へと変わったかと思われたが、1年の最後の大会で世界トップとの差を見せつけられた形となった。

 しかし、だからこそ今後の練習の指針も見つかったはず。「せっかく世界の2位、3位と闘えたのですから、この経験を生かしたい。引き続き世界で通じるだけのスタンドの攻撃力を身につけたい」という。

 グラウンドにさえも持ち込めれば、かなりの確率で追加ポイントが期待できる。それはトルクメニスタン戦、モンゴル戦
(左写真)で証明されている。しかし、そこまで持ち込めなければ、宝の持ち腐れだ。スタンドの攻撃で、いかに相手を崩しテークダウンを奪うか。この課題克服に全力を尽くさねばなるまい。



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