伊調千春（ALSOK綜合警備保障）が３年ぶり２度目の世界一…世界選手権第５日【2006年９月29日】
世界選手権第５日は９月29日、中国・広州の天河体育館で男子フリースタイル２階級と女子１階級が行われ、女子48kg級の伊調千春（ＡＬＳＯＫ綜合警備保障）が決勝で昨年の世界チャンピオン、地元の任雪層（レン・シュセン＝中国）をフォールで下し、2003年大会の51kg級を制して以来３年ぶり２度目、この階級では初の世界選手権優勝を果たした。
伊調は初戦で３年連続パンアメリカン・チャンピオンのマエリス・カリパ（ベネズエラ）を破ると、２回戦も勝ち、３回戦で昨年３位のキャロル・ヒュン（カナダ）を撃破。準決勝で欧州３位のフランチーネ・デパオラ（イタリア）を破り、決勝進出を決めた。
男子フリースタイル96kg級の小平清貴（警視庁）は２回戦（初戦）で昨年５位の具泰賢（クー・ヤエヒュン＝韓国）に１−２で敗れ、同120kg級の北村克哉（専大）も１回戦で昨年３位のオットー・アウベリ（ハンガリー）に０−２で敗れた。いずれも相手が決勝に残れなかったため、敗者復活戦に回れなかった。
120kg級には国士大の留学生、デニス・ロバーツ（豪州）が出場したが、１回戦でジェームズ・コックス（カナダ）に０−２で敗れ（左写真の右）、敗者復活戦に回れなかった。
各階級の成績は下記の通り。（撮影＝矢吹建夫）
◎男子フリースタイル
【96kg級】小平清貴（警視庁） 27選手出場
| ２回戦 ●[１−２(3-2,0-2,0-1)] Hyun Koo Tae（韓国） |
《１P》開始40秒、タックルで相手に回りこまれた小平だが、腰投げ気味に投げて３点を獲得。その後、回りこまれて１点を失い、相手の投げの失敗でバックを取ったものの（リスク・レスリングで０点）、体を入れ替えられて１点を奪われた。しかし３−２でこのピリオドを取った。
《２P》０分40秒、小平は相手の片脚タックルを受けてしまい１失点。１分30秒にもタックルを受け、０−２とされてしまった。
《３P》一進一退の攻防が続いたが、ラスト10秒、片脚タックルを受けて１点を奪われてしまった。
【120kg級】北村克哉（専大） 27選手出場
| １回戦 ●[０−２(0-2,0-2)] Aubeli Otto（ハンガリー） |
《１P》北村は０分40秒、押し出されて１点を失った。１分30秒にタックルを仕掛けたが、回り込まれて０−２とされた。
《２P》開始から26秒、押し出されて北村が１失点。中盤に一本背負いで攻めたが、失敗して１点を失い、ローリングはしっかりとこらえたが、０−２で敗れた。
◎女子
【48kg級】伊調千春（ALSOK綜合警備保障） 優勝＝27選手出場
| １回戦 ○[２−０(1-0,TF6-0=1:10)] Caripa Mayelis（ベネズエラ） |
《１P》開始から30秒、相手のタックルをかわした伊調が１点を取り、その１点を守りきった。
《２P》伊調が22秒でテークダウンを奪って１点を取ると、すぐにニアフォールへ。さらにローリングで２点を加え５−０。１分10秒、正面タックルを決めてテクニカルフォール。
| ２回戦 ○[２−０(TF6-0=1:48,TF7-0=1:46)] Bakatyuk Tatyana（カザフスタン） |
《１P》伊調は腕を取ってテークダウンを奪って１−０。１分12秒、さらにテークダウンを奪い、横崩しを２度決めて６−０とした。
《２P》開始早々に１点を取った伊調はローリングで２点を追加。終盤、３点となる正面タックルを決め、そのまま５秒押さえて１点を加えて７−０として、試合を終えた。
| ３回戦 ○[２−０(1-0=2:13,1-0)] Hyun Carol（カナダ） |
《１P》一進一退で規定の２分間は０−０。伊調がコイントスで勝ち、クリンチからのタックルは逃げられそうになりながらも、きっちり決めて１点を取った。
《２P》40秒、伊調は左足首へのタックルを決めて１点を取り、この最小ポイントを守った。
| 準決勝 ○[フォール、2P1:31(0-3,F4-0)] De Pacla Francine（イタリア） |
《１P》双方ともになかなかポイントが取れなかったが、ラスト４秒、伊調がくぐってタックルを決めたが、相手も場外に出ながらも伊調を投げ、微妙な判定だったが相手に３点が入った。
《２P》50秒、伊調が正面タックルを決め、そのまま押さえ込んでフォール勝ち。
| 決 勝 ○[フォール、1P1:48(3-0)] 任雪層＝Ren Xue Cen（中国） |
《１P》お互いに警戒し、決め手がない。伊調が１分20秒ころ、正面タックルから体を浴びせてあわやのシーンをつくったが、ぎりぎりのところでこらえられる。このあと、がぶったところを、任雪層が飛行機投げ気味に下からのがぶり返しを狙ったが、伊調がこれをこらえ、そのまま押さえ込んでフォールを決めた。
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