【特集】国内での1階級アップは順調…フリー66kg級・小島豪臣【2006年6月5日】






 全日本選手権の1、2位、そしてアテネ五輪5位の池松和彦がいずれも初戦で敗れるというフリースタイル66kg級は、昨年暮れに1階級上げた60kg級の元全日本王者の小島豪臣(周南システム産業)が優勝し、佐藤吏(早大)とのプレーオフにも勝って日本代表権を獲得した。

 4月のアジア選手権は5位に終わり、和田貴広コーチ(日本協会専任コーチ)からかなり厳しく指導され、課題を課せられたという。「それをしっかりとやってきました。負けないだけの練習は積んだ、という思いがありました。勝てると思いました」ときっぱり。

 佐藤は階級をアップした直後の全日本選手権でフォール負けした相手。見事に雪辱をしての優勝に気持ちよさそうだが、「(佐藤は)実力を出し切っていなかったと思う。1回の優勝で油断してはならない」と、勝った直後にもかかわらずかぶとの緒を締める厳しさ。それでも「国内では1階級アップがまずまずできたという感じ。上げた直後は体力が続かず大変だったけど、今はその感じはない」と言う。

 しかしアジアの66kg級では力負けをしており、これが世界に通じるとは思っていない。「もっと練習し、体力をつけて国内では圧倒しなければ、世界では勝てないでしょう」。課題は多く残るものの、22歳の前途には可能性が限りなく広がっている。

(取材・文=樋口郁夫、撮影=矢吹建夫)




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