【特集】世界一奪還を目指す浜口京子、アジア選手権を語る【2006年4月17日】





 2年ぶりに出場したアジア選手権(4月6〜9日、カザフスタン・アルマトイ)で、圧倒的強さを見せつけた女子72kg級の浜口京子(ジャパンビバレッジ)。世界一奪還を目指す日本のエースに、大会を振り返ってもらうとともに、今後の抱負などを聞いた。(聞き手=宮崎俊哉、撮影=保高幸子))


 1回戦  ○[フォール1P0:31(F5-0)] Imanalieva Asel(キルギスタン)
 準決勝 ○[2−0(3-0,3-0)] Qin Xiaoqing(中国)
 決  勝 ○[フォール1P0:53(3-0)] Burmaa Ocnirbat(モンゴル)

 ――アジア選手権優勝おめでとうございます。

 浜口 中国など強いメンバーがそろった大会で優勝でき、本当にうれしいです。

 ――大会出場を決めたのはいつごろですか。

 浜口 2月の中頃、金浜コーチ(良=ジャパンビバレッジ)から「勝ち負けを気にしないで、思い切り戦ってみろ」と言われ、「出場させてください」とお願いしました。

 ――今大会の課題は?

 浜口 金浜コーチからは「新ルール、1ピリオド2分の戦いを完璧に身につけろ」と言われました。頭ではわかっているつもりですし、スパーリングでもできていますが、試合となると・・・。冷静に2分間の戦いをする、力勝負やパワー合戦に付き合わず、自分のレスリングをして確実にポイントを重ねる、そのことを課題に、大会に臨みました。

 ――今回、お父様(アニマル浜口氏)が監督となられましたが。

 浜口 自分としては、父が監督であることは全く意識せず、いつも通り戦いました。

 ――チームの雰囲気はいかがでしたか。

 浜口 金浜コーチ、木名瀬コーチ(重夫=日本協会専任コーチ)のもと、ひとつにまとまったいいチームだったと思います。私の試合は最終日でしたが、それまでに試合を終えた選手が進んで練習相手をしてくれたり、水やタオルを用意してくれたりして。そうしたみんなの支えがあって、優勝できたと心から感謝しています。また、青木団長(秀夫=警視庁)をはじめ、男子のフリースタイルとグレコローマンの監督、コーチ、選手の方々とも打ち解けて話ができましたし、練習でもいろいろご指導いただきました。試合でもみんなが大きな声で応援してくれて、最高にいい雰囲気の選手団でしたね。今回の遠征は、とても楽しかったです。

 ――試合を振り返っていただきましょう。まず、第1試合
(左写真)は?

 浜口 キルギスタン(アセリ・イマナリエバ)の選手はどう攻めてくるか、全くわかりませんでしたが、思い切り行こうと思ってマットに上がりました。力いっぱいぶつかって暴れまわる自分のレスリングが、31秒フォール勝ちという結果になったと思います。

 ――初戦完勝した後の第2試合、相手は中国
(右写真)。アテネオリンピックで戦ったワン・シュウ(王旭)とも、昨年ハンガリーの世界選手権で戦ったワン・チアオ(王嬌)とも違う選手でしたが。

 浜口 毎回違う選手が出場してくることは気になりませんでした。それよりも、自分のレスリングをすることだけを考えていました。

 ――打倒・浜口、大金星を狙うキン・シャオキンはいかがでしたか。

 浜口 スピードとパワーのある選手でした。

 ――第1ピリオド、相手を投げてニアフォール、3−0で奪いました。第2ピリオドに入って、片足タックルから足首をつかまれたときは?

 
浜口 セコンドの父や金浜コーチの指示もよく聞こえ、しっかり相手の頭を抑えて守り抜こうと思いました。

 ――30秒間がまんして、得点を与えませんでしたね。

 浜口 自分でも冷静に対処できたと思います。そのあと、タックルに入ろうしましたがなかなか取れなくて。

 ――それでも、最後は返し技が決まりました。

 浜口 あのときは体が自然と動きました。

 ――さぁ、いよいよモンゴルとの決勝戦です
(右写真)

 浜口 ブルマア選手は世界合宿などで何度も来日していて、よくスパーリングもしているので落ちついて試合に臨めました。最後のアンクルフォールドは、弟の剛史とずっと練習していて、出発前にも“試合で使え”と言われ、胸に入れたハンカチにも“アンクルフォール ド”と書いてあったので、その技が決まってよかったです。

 ――そのまま相手を仰向けにして、一気にフォール。これまた53秒の圧勝でした。

 浜口 この大会で、また少しレスリングがわかってきたような気がします。

 ――今年はアニマル浜口さんが“4番勝負”と口にしていたように、今回のアジア選手権のあとワールドカップ(5月20〜21日、名古屋市)、世界選手権(9月、中国)、そして アジア大会(12月、カタール)と続きますが、今後の抱負は? 浜口 1試合1試合大切に、しっかり戦っていきたいと思います。

 ――世界チャンピオン返り咲き、アジア大会2連覇は間違いなさそうですね。最後に、ファンの方々にメッセージをお願いいます。

 浜口 いつも応援ありがとうございます。もっともっと強くなれるよう、一生懸命練習していきますので、これからも応援よろしくお願いしまう。みなさんの応援を力に、アジアチャンピオン、世界チャンピオンとなって、北京オリンピックにつなげていきます!。




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