【特集】集中して全力を出し切ってのV10…72kg級・浜口京子【2006年3月29日】






 出場選手が2人で、たった1試合、決勝戦しか行われなかった72kg級。それでも、浜口京子(ジャパンビバレッジ)は万全の調整をして試合に臨み、全力を出し切った。

 浅草軍団が大声援に送り出されてマットに上がった浜口は、第1ピリオド試合開始3秒、村島の両股を抱えて倒すとそのまま攻め続け4−0。第2ピリオドも試合開始早々タックルで村島を倒し、全く攻め込むすきを与えぬまま確実にポイントを重ね3−0。

 全日本選手権10連覇に続き、クィーンズカップ(全日本女子オープントーナメント時代を含む)でも8連覇10度目の優勝を達成。同時に、9月に中国・広州で開催される世界選手権出場権も獲得した。

 日本はもちろん、世界中で最も有名な女子レスラー。10年の長きにわたって世界のトップクラスに君臨し続ける女王。それでも、浜口京子はまだまだ発展途上。「今日は完全燃焼することが目標でしたが、集中して全力を出し切ることができました。今年は世界選手権前に、アジア選手権、ワールドカップで実践をつめるので、必ず優勝できるよう強くなって臨みたいと思います。北京オリンピックに向けて、もっとレスリングを好きになって、一生懸命練習して、もっともっと強くなります」

 試合後、浜口は笑顔でそう誓った。

(文=宮崎俊哉) 



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